麒麟がくる (6)〜(44)(2020年・NHK)
脚本:池端俊策他
演出:大原拓他
出演:長谷川博己、染谷将太、本木雅弘、門脇麦、岡村隆史、尾野真千子、石橋蓮司、芦田愛菜、石川さゆり、川口春奈、木村文乃、滝藤賢一、西村まさ彦、吉田鋼太郎、佐々木蔵之介、坂東玉三郎
ドラマとしては新しい歴史観
時代を公平に捉えているのが良い
NHK大河ドラマは、過去のものを除いて今ではほとんど見ないが、『麒麟がくる』は最後まで見た……途中からではあるが。というのは、第5回、第6回あたりから三好長慶、松永久秀など、学校の歴史であまり触れられず、よくわかりにくい存在が重要人物として登場したからで、勉強になるかなと思って見始めたのである。その後も、(少しだけだが)こちらもあまり歴史では触れられない細川晴元だの、三好三人衆だのが出てきて、同時代の切り口として公平性を感じたこともあり、そのまま見続けたのだった。また、明智光秀と織田信長の関係性も、おそらく史実にかなり則っていると考えられ、従来の信長・秀吉中心の歴史観との(良い意味での)異質さを感じたことも大きい。そういうこともあり、ストーリーは全般的によくできていたと感じる。
ただし、駒、東庵、伊呂波太夫などのオリジナルキャラクターが今一つで、その点で脚本としてはあまり評価できない。一方で、長谷川博己が演じた明智光秀、本木雅弘が演じた斎藤道三、吉田鋼太郎が演じた松永久秀、滝藤賢一が演じた足利義昭は、人間味が溢れていて良いキャラクターだった。衣装や意匠、美術なども力が入っており、時代劇としてはかなりできの良い部類に入る。歴史劇として質が高いと思う。同時代における信長、秀吉の位置付けも非常に公平で良いと感じた。
★★★☆参考:
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