三島由紀夫×川端康成 運命の物語
(2019年・NHK)
NHK-BS1 BS1スペシャル
関係者のインタビューだけが目玉 晩年の三島由紀夫と川端康成の関係に迫るドキュメンタリー。
三島由紀夫は1970年に自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺し、その2年後には川端康成がガス自殺する。元々三島由紀夫は、川端康成が見つけ出してデビューさせたという間柄で、言ってみれば「師弟関係」である。その二人が続けて命を絶ったことは、何かを暗示するかのようだが(このドキュメンタリーでもそういう問題提起をしていたが)、結局のところ大した関係性はなく、三島由紀夫は自身の思想とねじくれた感情のために死に、川端康成は睡眠薬依存で小説が書けなくなったことから命を絶ったというような結論を出している。
盾の会の元メンバー、元担当編集者、瀬戸内寂聴などのインタビューから二人の足跡を辿っていくが、それほど目新しい素材があるようにも見受けられず、割合穏当なところで終始していた。ノーベル文学賞を巡る二人の確執が少し新しい題材かなとも思うが、こちらも想定内ではあった。
元々『クローズアップ現代』で放送されたものの焼き直しのようであるが、別の番組として独立させるほどの内容でもなかったな、というのが正直な感想である。このドキュメンタリーも昨年放送されており、今回、三島由紀夫没後50年ということで再放送された模様である。見ている途中で、前年の放送も見ていたことに気が付いた。
★★★参考:
竹林軒出張所『私が愛する日本人へ(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『思い出の作家たち(本)』竹林軒出張所『ドナルド・キーン自伝(本)』竹林軒出張所『伊豆の踊り子・温泉宿 他四篇(本)』竹林軒出張所『雪国(本)』竹林軒出張所『雪国 -SNOW COUNTRY(ドラマ)』竹林軒出張所『伊豆の踊子(映画)』竹林軒出張所『山の音(映画)』竹林軒出張所『めし(映画)』竹林軒出張所『古都(映画)』竹林軒出張所『潮騒(映画)』