草燃える 総集編(1979年・NHK)
第1話「頼朝起つ」
第2話「平家滅亡」
第3話「征夷大将軍」
第4話「頼家無惨」
第5話「尼将軍・政子」
原作:永井路子
脚本:中島丈博
演出:大原誠、江口浩之他
出演:岩下志麻、石坂浩二、松平健、滝田栄、真野響子、松坂慶子、金田龍之介、大谷直子、国広富之、篠田三郎、佐藤慶、江原真二郎、郷ひろみ、尾上辰之助、中山仁、武田鉄矢、藤岡弘、伊吹吾郎、柴俊夫、岸田森、石浜朗、中島久之、尾上松緑、黒沢年男
ドロドロの内部抗争劇が見所 1979年に放送されたNHK大河ドラマの総集編。舞台は平安時代末期から鎌倉時代、承久の変までで、源頼朝(石坂浩二)、北条政子(岩下志麻)、北条実時(松平健)を中心にドラマが動く。
鎌倉幕府の歴史ということになると、特に初期は内部抗争が続くことから、とかく登場人物が多くなる。そのため、総集編で見るには少しきつい。要するに、主要人部の名前が把握できにくい。中には、名前もよくわからないまま殺されて消えてしまうということさえある。そのため、僕は
ウィキペディアの「草燃える」の項を随時参照しながら、人物を確認しつつこのドラマを見ていた。特に幕府内部で乱が起こる前や、反・平氏の戦いのときに主要人物が把握しづらくなるため、こういった資料がないと、結構辛い。
このような「総集編ならでは」のわかりにくさはあるが、トータルでよくできたドラマではある。とは言え、登場人物の行動に納得いかない箇所も多く(『総集編』だからかも知れないが)、頭の中でうまく整合できない部分があったことも確かである。全体的には、政治闘争を通じて変貌していく北条義時、実子との関係に混乱する母、北条政子あたりの描写が目玉になっているドラマで、人間心理がよく描かれてる点が、並みの大河ドラマよりも優れた点と言えるか。このドラマを見ていると、鎌倉初期の時代、御家人同士が内部抗争を繰り返す過程は、ヤクザの抗争と変わりないと感じてしまう。「武士道」みたいな美化された世界と一線を画していて、その辺の描写はリアルで、よくできていると思う。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『鎌倉殿の13人 (2)〜(48)(ドラマ)』竹林軒出張所『炎立つ 総集編 (1)(ドラマ)』竹林軒出張所『大河ドラマ 平清盛 総集編(ドラマ)』竹林軒出張所『風と雲と虹と 総集編(ドラマ)』竹林軒出張所『太平記 (4)〜(27)(ドラマ)』竹林軒出張所『太平記 (28)〜(49)(ドラマ)』竹林軒出張所『黄金の日々 (1)〜(3)(ドラマ)』竹林軒出張所『獅子の時代 総集編(ドラマ)』竹林軒出張所『坂の上の雲 (1)〜(13)(ドラマ)』竹林軒出張所『花の生涯 (1)(ドラマ)』竹林軒出張所『麒麟がくる (6)〜(44)(ドラマ)』竹林軒出張所『鎌倉殿の13人 (1)(ドラマ)』竹林軒出張所『吾妻鏡(上)(中)(下)(本)』竹林軒出張所『平家物語(上)(中)(下)(本)』竹林軒出張所『光る君へ(ドラマ)』