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竹林軒出張所

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『風と雲と虹と 総集編』(ドラマ)

風と雲と虹と 総集編(1976年・NHK)
原作:海音寺潮五郎
脚本:福田善之
演出:岸田利彦他
音楽:山本直純
出演:加藤剛、吉永小百合、緒形拳、太地喜和子、山口崇、草刈正雄、露口茂、米倉斉加年、佐野浅夫、西村晃、仲谷昇、奈良岡朋子、宍戸錠、木の実ナナ、吉行和子、真野響子、高岡健二、長門勇、蟹江敬三、峰岸徹、小林桂樹、新珠三千代、森昌子

いかにも総集編という作品

『風と雲と虹と 総集編』(ドラマ)_b0189364_19040640.jpg 1976年に放送されたNHK大河ドラマ『風と雲と虹と』の総集編。
 『風と雲と虹と』は、平将門(加藤剛)と藤原純友(緒形拳)の朝廷に対する反乱、いわゆる承平天慶の乱を題材にした作品で、原作は海音寺潮五郎の『平将門』と『海と風と虹と』である。
 平将門の立場から、当時の朝廷の腐敗、それに対する民衆の反発、民衆の意思を代表する豪族という構図で平安時代中期を捉える。反乱分子と捉えられていたであろう平将門を主人公に据え、義の人という位置付けにした設定は、当時としては斬新だったのではないかと想像する。実際このドラマは、当時かなり人気を博していたという記憶がある。
 またストーリーも、人間将門の友情や恋、勇気や義侠心などを中心に物語が展開するため、おそらく全52回、視聴者を惹きつけ続けたんではないかと思う。キャストも超豪華で、さすが天下のイヌエッチケー。僕は当時このドラマをほとんど見ていないが、最終回については見ており、ラストシーンは非常に印象的だった記憶がある。
 ただしこの総集編については、全部で180分にまとめられているため、あまりにダイジェスト的になっていてストーリーがよくわからない箇所が結構ある。それに登場人物があまりに多く、誰が誰やらわからない箇所も多い。当時のNHK大河ドラマは、放送がいったん終了した後、視聴者が本編を回顧するような目的で総集編が放送されていたと記憶しているが(今もそうなのか)、この総集編もいかにもそういう感じで、いったんドラマを全部見た人が「こんなこともあったね」みたいな感じで見るというタイプの作品になっている。そのためか、俵藤太(露口茂)は重要な位置付けであるにもかかわらず、随分唐突な登場の仕方であるだけでなく、多岐川裕美や森昌子、新藤恵美なんかも少ししか出ず、どういう役回りかほとんどわからなかった。もちろん、総集編に対して、ストーリーが分かりにくいなどというのはお門違いではあるが、事実なのでしょうがない。
 また演出も古く、今見て楽しめるかと言われると、少々疑問を感じる。なお本作は、総集編でない完全版もDVDで発売されているので、興味と根気のある方はそちらを見られると良いのではないかと思う。
★★★

参考:
竹林軒出張所『光る君へ(ドラマ)』
竹林軒出張所『炎立つ 総集編 (1)(ドラマ)』
竹林軒出張所『太平記 (4)〜(27)(ドラマ)』
竹林軒出張所『太平記 (28)〜(49)(ドラマ)』
竹林軒出張所『黄金の日々 (1)〜(3)(ドラマ)』
竹林軒出張所『大河ドラマ 平清盛 総集編(ドラマ)』
竹林軒出張所『獅子の時代 総集編(ドラマ)』
竹林軒出張所『坂の上の雲 (1)〜(13)(ドラマ)』
竹林軒出張所『麒麟がくる (6)〜(44)(ドラマ)』
竹林軒出張所『花の生涯 (1)(ドラマ)』

by chikurinken | 2020-03-24 07:03 | ドラマ
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