テストステロンの真実 ~謎多き男性ホルモン~
(2018年・独doc.station)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー
主題はピンポイントだが内容は散漫だった
男性ホルモン、テストステロンを扱った、ピンポイントのテーマのドキュメンタリー。
体内のテストステロン濃度が高いと粗暴になるとか強壮になるとか一般に言われているが、実際のところ、それは必ずしも真実ではなく、逆の結果を示した実験も多数あるらしい。テストステロンが強壮さに関連しているかどうかは本当のところはっきりとわかっているわけではなく、そういった効能を謳うサプリメントも本当はかなり怪しいということだ。
このドキュメンタリーでは、テストステロンに対するこういった先入観や偏見について検討していくわけだが、一つ一つの議論についてはそれなりに説得力があるとは言え、結局このドキュメンタリーとして何を主張したいのかがあまり見えてこない。結論の一つとして提示されたのが、体内のテストステロンは多すぎても少なすぎても身体に悪いという至極当たり前の結果で、こういう結論を出されると、だからどうなんだという感想で終わってしまう。
偏見を一掃するという目論見は良いんだが、論旨があまり明確でなく、結果的に、考察の過程だけ紹介して結論が曖昧というような内容になってしまったのが少々残念な点である。演出として出てくる映像(上記写真を参照)が安っぽいのも難点。
★★★参考:
竹林軒出張所『あなたの脳は男性?女性?(ドキュメンタリー)』