日日是好日(2018年・ヨアケ)
監督:大森立嗣
原作:森下典子
脚本:大森立嗣
出演:黒木華、樹木希林、多部未華子、鶴見辰吾、鶴田真由、原田麻由、川村紗也
映像で茶の世界を疑似体験
森下典子の
同名タイトル・エッセイの映画化作品。
ふとしたきっかけで茶道を習い始めた主人公が、徐々に茶道の愉しみを体得していくというストーリー。その過程で、いろいろなものを得られなかったり失ったりして挫折も経験するが、茶道修業は続いていく。
原作を読んだときは、(原作がエッセイであることもあり)これが映画になるのだろうかと思ったが、とりあえず映画作品として成立している。また、著者がエッセイで描き出そうとしていた茶道の魅力も伝わってくる作品になっている。
よくまとまった良い映画なんだが、原作にあった茶事(懐石料理から茶の点前までフルセットの茶会)のエピソードと、茶を辞めようと逡巡していたエピソードがほぼカットされていたために、そういう点で少しもの足りない作品になった。それぞれ話の流れ、それから主人公の成長の上で重要な要素になっており、しかも茶道の魅力を再発見させるような箇所である。そういう意味でもこの2つのエピソードがカットされていたことはかなり意外であった。もちろんこれは作り手の意図から不要と判断されたんだろうが、随分思い切ったことをやったなという印象である。
とは言え、エッセイの映画化作品としては、かなり上質の部類に入るんじゃないだろうか。よくできた翻案作品だと思う。何より茶道のあれこれを疑似体験できるのが良い。文章だけだとなかなかこうはいかないものだ。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『日日是好日(本)』竹林軒出張所『精進料理大全(ドキュメンタリー)』