ブログトップ | ログイン

竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

『再びカラーでよみがえるアメリカ 1』(ドキュメンタリー)

再びカラーでよみがえるアメリカ:ハリウッド誕生
(2018年・米SNI / SI Networks / Arrow International Media)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

カラー化されたチャップリンは新鮮

『再びカラーでよみがえるアメリカ 1』(ドキュメンタリー)_b0189364_20455578.jpg 『カラーでよみがえるアメリカ』の新シリーズでシーズン2という位置付けである。シーズン2の第1回目の放送はハリウッドがテーマ。
 20世紀初頭、エジソンが映画技術を独占したために、映画製作者たちが映画を自由に撮れなくなるという事態になる。そのため彼らは、エジソンが君臨するニューヨークから逃れ、遠く離れたロサンゼルス近郊のハリウッドにスタジオを作って映画作りを始める。やがて映画の時代が到来して、製作会社は大いに潤うようになり、チャールズ・チャップリンやダグラス・フェアバンクスなどのスターも誕生する。その後、映画界にはトーキーの時代が訪れ、映画の撮影方法もそれに合わせて変わっていく。こういった時代を記録した映像がカラー化された上で、1本にまとめられているのがこのドキュメンタリーである。モノクロ以外ではなかなかお目にかかれない、カラー化されたチャップリンの映像などがなかなか新鮮である。
 1950年台に赤狩りの時代を迎えると、粛正の嵐がハリウッドにまで及ぶ。この辺の一連の事情が紹介された後、時代をさらに経てテレビの時代になり、映画界はテレビという新しい敵との戦いに曝される、というあたりまでがこのドキュメンタリーで取り上げられる。このあたりまでで終わっているのは、それ以降カラー撮影が一般的になったためだと思われる。要するに、もはやカラー化する必要がない、つまりこのドキュメンタリーで取り上げる対象にならないためだろう。
 カラー化された映像はどれも自然かつ新鮮で臨場感があるが、前シリーズ同様、内容自体にはあまり目新しさがない。やはりどこかダイジェストみたいになってしまうのは、テーマから考えると、致し方ないところなのかなと思う。
 個人的には、『雨に唄えば』で描かれているようなトーキー初期の撮影風景が大変興味深いところであった。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『再びカラーでよみがえるアメリカ 2、3、4(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『世界サブカルチャー史 1(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『カラーでよみがえるアメリカ 1、2(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『カラーでよみがえるアメリカ 3、4、5(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『新・カラーでよみがえるアメリカ 1〜3(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『カラーでよみがえるイギリス帝国(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『雨に唄えば(映画)』

by chikurinken | 2019-09-21 06:45 | ドキュメンタリー
<< 『再びカラーでよみがえるアメリ... 『仁義なき戦い 広島死闘篇』(映画) >>