ブログトップ | ログイン

竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

『湾生回家』(映画)

湾生回家(2015年・台湾)
監督:ホァン・ミンチェン
出演:湾生の人々(ドキュメンタリー)

湾生の台湾に対する思い入れがテーマ

b0189364_20231414.jpg 幼い頃、台湾の地で育った(現)日本人の人々の話である。
 台湾は、日清戦争の後、清国から大日本帝国に割譲され、それ以降日本の植民地となる。そのため、太平洋戦争終結までは日本の一部としてその版図に組み込まれていた。だが帝国日本の敗戦、崩壊とともに台湾は中華民国の施政下に入れられ、その後蒋介石の国民党が大陸を追われて台湾に逃れたため、台湾は中華民国国民党によって支配されることになる。
 この間に台湾で生活をしていた人々も当然社会の影響を受けざるを得ないわけで、戦前に台湾で生まれ(または移住し)台湾で幼少時代を過ごした本土の人々の多くは、日本の敗戦後、内地に戻ることになった。彼らにとって台湾は生まれ故郷であるため、今でも台湾に対して特別な思い入れがあるんだそうだ。ということで、このドキュメンタリーに登場する台湾生まれの日本人(湾生)たちはたびたび台湾の故郷を訪れ、旧交を温めたり懐かしい土地を訪れたりしている。こういった人々の活動に密着するドキュメンタリー映画である。
 元々台湾で作られた作品で、日本公開後、クチコミで評判が広がっていったという話を聞いて興味を持ち、今回この作品を見てみたんだが、正直言ってそれほどの感慨はなかった。湾生の人々が台湾に対して持つ思い入れの深さはわかるが、「故郷」という観点から見ればそれも当然であるように感じる。また、戦後台湾に残った当時の子どもと日本に引き揚げた親との親子関係なども描かれれ、この作品の見所の一つになっているが、僕個人はそれほど感じるところはなかったというのが正直な感想。真摯な映画で、もちろん悪くはないが、2時間近くの上映時間を長く感じたというのも事実である。
★★★

参考:
竹林軒出張所『明治天皇〈三〉(本)』
竹林軒出張所『日中“密使外交”の全貌(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2019-08-08 07:22 | 映画
<< 『夢と狂気の王国』(映画) 『旅するダンボール』(映画) >>