#フォロー・ミー インスタの偽り
(2018年・蘭VPRO)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー
インスタグラムにも
フェイスブックにも信用がおけない
世間ではインスタグラムなどというものが流行っているが、僕自身はまったく利用しないし、人のインスタグラムを見たことも(おそらく)ないので実態はよくわからない、本当のところ。ただ、フォロワーがたくさん集まったり「いいね」がたくさん入ったりすると、自尊心が満たされるだけでなく、スポンサーが付いたりなどという実質的な恩恵も生じるらしい。そういうわけで利用者はなんとかフォロワーや「いいね」を増やそうと努力するらしいが、よほど有名な人でなければそういうものが簡単に集まるわけがなく(そもそも最初から人の目に付かない)、利用者にとっては悩ましいところだそうである。まったく変なものが流行る時代になったものである(まあブログも似たようなもんだが)。
しかし、需要があればそれを満たす産業が生まれるというのも現代社会の構図である。案の定、フォロワーや「いいね」を増やしてくれる業者というものが登場することになる。そういう実態を紹介するのがこのドキュメンタリーで、番組内でも、こういった業者に依頼しフォロワーを実際に増やしてみるという実験をやっていた。これによると、業者にもよるが、数千円から数万円程度で数千人から数万人程度のフォロワーが付いたアカウントを買うことができる。もちろんこれは、運営業者であるフェイスブックが禁止している行為で、そのために取り締まりも行われているようだが、業者の方もその抜け道を探り出すため、こういった行為がなくなることはないらしい。そもそもフェイスブックがそれほど真剣に取り締まり活動に取り組んでいないらしく、真面目に対策する気もないようである。
インスタグラムに限らず、こういったSNS自体にまったく興味がないので、こういう内容のドキュメンタリーを見てもあまり感じるところはないが、要は利益の出るところには常に不正行為が存在するということなのかと思う。もっともそれ以前に、フェイスブックが信用できるのかというところも大きな問題である。それにツイッターをはじめとするSNSが我々の日常生活に本当に必要なのかという点についても再検討した方が良いんじゃないかと、門外漢の僕は感じるのである。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『“幸せ”に支配されるSNSの若者たち(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『あなたは利用条件に“同意する”?(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『栗城史多の見果てぬ夢(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『“ネットいじめ”の脅威(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『データに溺れて…(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『ソーシャルメディアの“掃除屋”たち(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『ネット自動広告取引の闇(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『生成AIの正体(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『ネットが革命を起こした(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『ハリウッド発 #MeToo(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『#ジョニー・デップ裁判(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『僕らはそれに抵抗できない(本)』