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竹林軒出張所

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『まんが道』(1)、(2)(ドラマ)

まんが道 (1)、(2)(1986年・NHK)
原作:藤子不二雄
脚本:大久保昌一良
演出:安江進、森平人
出演:竹本孝之、長江健次、冨士眞奈美、天地総子、磯崎洋介、蟹江敬三、小倉一郎、木原光知子、イッセー尾形、久米明、玉川良一、会沢朋子

熱い青春が心地良い

『まんが道』(1)、(2)(ドラマ)_b0189364_16554675.jpg 安孫子素雄(藤子不二雄A)が、マンガ家になるまでの青春記を描いたのが『まんが道』という作品で、元々はマンガ作品である(『まんが道』の最初はマンガ作品ではなくエッセイ風だったと記憶している)。青春記、しかもその後大成功した人の青春記であることもあり、かなり人気が高いマンガであったため、1986年にドラマ化され、NHKの『銀河テレビ小説』枠で放送された。
 このドラマ、過去数回見ているにもかかわらず、もう一回見たいもんであることよと思っていたんだが、あいにくレンタルしているところがなく、結局そのまま……という状態だった。そんな折、このたびBSトゥエルビとかいう何だか存在意義すらよくわからない放送局(テレビショッピングと韓国ドラマばかりやっているような局だ)で再放送されることになった。今回はそれを見ることができたというわけ。なおこのBSトゥエルビ、最近、これまでの活動を反省したのか知らないが、『早春スケッチブック』や『傷だらけの天使』まで放送することにしているらしい。
 ドラマ版の『まんが道』であるが、『銀河テレビ小説』枠ということで、朝のテレビ小説枠と同様、演出が明朗単純で、誰が見ても楽しめるようなタイプのややオーバーアクトな作品である。僕はこういう演出はまったく好きではないが、しかしストーリー自体が結構しっかりできていて、86年の初回放送時に見たときも内容に随分感心したという記憶がある。また、マンガ家になるという夢を追う主人公の二人の情熱が熱くて、いかにも青春記という感じの一途さが心地良く、見ていてものすごく気持ちが良い。それに今見るとキャストが超豪華で、20分の連続ドラマとは思えないほどである。久米明や玉川良一などの渋い役者に加えて、天地総子、木原光知子、イッセー尾形あたりもかなり異色の配役である。しかもこの1年後に作られた続編(『青春編』)では、森高千里、鈴木保奈美、水前寺清子まで登場すると来ている。
 『まんが道』は、先ほども述べたように安孫子素雄の自伝的作品で、この作品では安孫子素雄が「満賀道雄」(竹本孝之)、相棒の藤本弘が「才野茂」(長江健次)という名前で描かれている。キャラクターは、原作では満賀道雄がメガネでチビの少年、才野茂がのっぽの少年として描かれているが、このドラマではキャラクターが入れ替わっている。つまり長江健次が演じる才野茂の方が、メガネの少年なんである。これまで何度もこのドラマを見ていた(しかも原作も読んでいた)にもかかわらず、このことに今までまったく気付かなかった。今まで何を見ていたのかと突っ込まれてもしようがない。
 現時点では第1回と第2回が放送されたところだが、この後、東京に出ていって手塚治虫(江守徹)に会い、マンガ家としての人生が開けていくというふうに話が進んでいく。先ほども言ったように、ストーリー以外にキャスティングも非常に面白くて見所が多いドラマだが、何と言っても夢を追う主人公2人の熱さが最大の見所である。次の回も早く見たいところだが、なんと次の放送は2週間だか3週間後だそうな。初回放送時は全15話が3週間で完結したんだがね。つまらん番組ばっかりやってないで、こういう作品をちゃんとした形式で放送してほしいもんだ(初回放送時と同じように1日20分を3週間で放送するというのが理想である)。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『まんが道 (3)〜(15)(ドラマ)』
竹林軒出張所『まんが道 青春編 (1)〜(15)(ドラマ)』
竹林軒出張所『トキワ荘青春日記―いつも隣に仲間がいた…(本)』
竹林軒出張所『夢追い漫画家60年 (100年インタビュー)(本)』
竹林軒出張所『トキワ荘の青春(映画)』
竹林軒出張所『まんが トキワ荘物語(本)』
竹林軒出張所『トキワ荘の時代―寺田ヒロオのまんが道(本)』
竹林軒出張所『烏城物語(本)』

by chikurinken | 2019-05-02 07:55 | ドラマ
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