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竹林軒出張所

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『マイケル・ジャクソン 最期の24時間』(ドキュメンタリー)

マイケル・ジャクソン 最期の24時間
(2018年・英Entertain Me Productions)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

マイケルの闇は深かった

『マイケル・ジャクソン 最期の24時間』(ドキュメンタリー)_b0189364_17381916.jpg キング・オブ・ポップと言われ一世を風靡したマイケル・ジャクソン。僕は完全に同時代だが、当時ポップスはほとんど聴いていなかったため、彼についてはほとんど何も知らない。ただ、やたら整形手術を繰り返したとか、児童に性的虐待をしたとか、奇妙な印象の方が強く、音楽性云々よりスキャンダルの対象としての知識しかない。実はマイケル自体が、そういった(根も葉もない)スキャンダルにひどく心を痛め、その心労のせいで不眠になり、そのために睡眠薬などの薬物に過度に依存することになった。2009年に死んだときも、久々のツアー中で少しでも眠りたいために主治医に過剰な睡眠薬の投与を求め、そのせいで死んだという。この事実をさまざまな人々の証言を交えて紹介していくのがこのドキュメンタリー。
 内容は非常にわかりやすく、マイケル・ジャクソンに対する偏見も一掃してしまうような作品である。整形手術を繰り返したことも元々は顔面と頭に大やけどを負ったことがきっかけになったことや、幼少時に虐待を受けていてその影響を一生抱えていたことなどが紹介される。また、持ち前の完璧主義のために活動に対して過剰に神経質になっていたこと、そのことがマイケルを精神的に追いつめていたこと、金目当ての悪い取り巻きにたかられていたことなども紹介され、弱さを抱える人間としてのマイケル・ジャクソン像が明らかにされる。そういう点では非常に興味深い。ただし僕自身がマイケル・ジャクソンについてあまり知らず、音楽的な方面での関心がないため、そのあたりで響くものがなかった。当時マイケルのポップ界に対する影響は相当なものだったのは明らかだし、彼の音楽について理解がある人であれば、僕よりもっと得るものがあるかも知れない。一般にポップスのドキュメンタリーとなると、やはりそういうことになってしまうのかとも思う。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『永遠のABBA アグネッタの告白(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『キャロル・キングのすべて(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2019-03-10 17:38 | ドキュメンタリー
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