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竹林軒出張所

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『獅子の時代 総集編』(ドラマ)

獅子の時代 総集編(1980年・NHK)
第一回「対決のパリ」
第二回「鶴ヶ城決戦」
第三回「敗れし者の道」
第四回「愛と動乱の日々」
最終回「自由自治元年」

脚本:山田太一
演出:重光亨彦、清水満、中村克史、外園悠治、松橋隆、上田信
音楽:宇崎竜童
出演:菅原文太、加藤剛、大原麗子、大竹しのぶ、永島敏行、金田賢一、尾上菊五郎、藤真利子、鶴田浩二、丹波哲郎、加藤嘉、佐々木すみ江、香野百合子、横内正、千秋実、沢村貞子、中村富十郎、児玉清、根津甚八、中山仁、細川俊之、三田村邦彦、岸本加世子、岡本信人、村野武範

意欲的な大河ドラマ、ではあるが……

『獅子の時代 総集編』(ドラマ)_b0189364_18582554.jpg 1980年に放送された全51回のNHK大河ドラマ。脚本が山田太一であり、長いこと気になっていた作品であるが、前に本編第1回を見たときに興味が惹かれなかったため、結局見ずに終わっている。今回図書館で総集編を見つけたため、見てみるかと思って借りてきた。
 舞台は幕末で、主人公は平沼銑次(菅原文太)、苅谷嘉顕(加藤剛)という架空の人物である。それぞれ会津藩士、薩摩藩士で、1867年のパリ万国博覧会に出展した幕府、薩摩の随行員として洋行しており、パリで知り合う。その後、幕末の動乱で互いに敵方になって争うが2人とも生き残り、維新後は、下層階級で政府に虐げられる立場の平沼と、政権の中枢に入った苅谷との対照的な人間模様が、その時代背景の中で描かれるという、大河ドラマとしてはかなり意欲的な設定である。
 ただしドラマとして見ると、偶然の出逢いが非常に多い上、主人公が超人的な力を発揮したりして、リアリティに乏しいのが大きな難点である。山田太一作品らしさはセリフにもストーリーにも見られない。
 とは言え、描かれる時代背景の中に、パリ万博、戊辰戦争、廃藩置県、憲法制定、秩父事件などが出てくるあたりは、やはり意欲的である。ありがちな幕末もの大河ドラマとは、そのあたりでも一線を画している。したがって大河ドラマとしてはデキの良い部類と言える。だが山田ドラマとしてはデキの悪い部類に入る。
第13回テレビ大賞優秀番組賞受賞
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『風と雲と虹と 総集編(ドラマ)』
竹林軒出張所『草燃える 総集編(ドラマ)』
竹林軒出張所『炎立つ 総集編 (1)(ドラマ)』
竹林軒出張所『大河ドラマ 平清盛 総集編(ドラマ)』
竹林軒出張所『太平記 (4)〜(27)(ドラマ)』
竹林軒出張所『太平記 (28)〜(49)(ドラマ)』
竹林軒出張所『徳川慶喜 総集編(ドラマ)』
竹林軒出張所『光る君へ(ドラマ)』
竹林軒出張所『坂の上の雲 (1)〜(13)(ドラマ)』
竹林軒出張所『花の生涯 (1)(ドラマ)』
竹林軒出張所『麒麟がくる (6)〜(44)(ドラマ)』

by chikurinken | 2019-03-01 18:57 | ドラマ
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