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竹林軒出張所

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『百日紅 〜Miss HOKUSAI〜』(映画)

百日紅 〜Miss HOKUSAI〜
(2015年・「百日紅」製作委員会)
監督:原恵一
原作:杉浦日向子
脚本:丸尾みほ
キャラクターデザイン:板津匡覧
美術監督:大野広司
声の出演:杏、松重豊、濱田岳、高良健吾、美保純、清水詩音、筒井道隆(アニメーション)

江戸を再現した映像が見所

b0189364_18185904.jpg 杉浦日向子原作のマンガ『百日紅』のアニメ化作品。キャラクターデザインは原画とまったく異なりほぼオリジナル。原作は大分前に読んだんだがあまり内容を憶えていない。そのために詳しいところは何とも言えないが、ストーリーもキャラクターの性格付けも原作と大分違っているような気がする。映画版のストーリーは、小さいエピソードを連ねたようなもので、もしかしたらそれぞれに似たような話が原作にあったのかも知れない。
 ストーリーは、葛飾北斎とその娘、お栄の周辺で展開するさまざまな出来事が軸になっている。ストーリーについては特にどうと言うことはないが、日本のアニメ作品らしく、背景などの描写が非常に美しく、季節感も巧みに再現しているのは見事である。タイトルにもなっている百日紅(さるすべり)や椿などの花の色がアニメ映像の中で美しく映えており、人物に当たる光や夕焼けなど、自然の描写も実に美しい。江戸の町をそのまま再現したような風景描写もすばらしく、こういった表現はアニメならではと言って良い。江戸にタイムスリップして疑似体験しているかのような映像はこの映画の目玉である。
 声の出演は、名のある俳優がやっているが、必ずしもはまっているとは言えず、声優を普通に使った方が良いのではないかと思った。お栄の杏も北斎の松重豊ももう一つしっくり来ない。唯一例外的にうまいと感じたのが濱田岳の英泉で、有名な俳優を使ったりするのは(ジブリ映画をはじめとして)近年よくあることだが、結果的に作品の価値を損なっているようにしか思えないものもあり、そういうのは作品作りに対するアプローチとしていかがなものかと思ってしまう。
アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門審査員賞受賞
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『江戸古地図の旅(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『石川英輔の本、5冊』
竹林軒出張所『大江戸庶民いろいろ事情(本)』

by chikurinken | 2019-01-05 08:16 | 映画
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