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竹林軒出張所

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『アフリカ少年が日本で育った結果』(本)

アフリカ少年が日本で育った結果
星野ルネ著
毎日新聞出版

アフリカ人が描いた関西ノリのマンガ

『アフリカ少年が日本で育った結果』(本)_b0189364_16173739.jpg タイトル通り、カメルーン生まれ、関西育ちの著者が描いたエッセイ・マンガ。元々はSNSで公開していたものらしいが、どういういきさつかわからないが本になった。概ね1ページで完結する話が集められて、全体で126ページ。50ページほどがフルカラーであとはモノクロという構成である。
 朝日新聞の天声人語で紹介されていたことから興味を持って、図書館で借りようとしたが在庫1冊のところすでに予約者が50人いた(こちらの手元に届くまで単純計算で2年以上かかる)ため断念して購入した。ただ内容は非常に充実しており、マンガとしてもグレードが高いため、買うだけの価値はあると思う。
 子ども時代の経験や異文化交流などが題材になっていて、しかも全体的に関西ノリで、ボケやツッコミが非常に良いテンポで展開され、笑える要素が散りばめられている。またマンガとしての表現力もあり十分魅せる。個人的には異文化交流の話が好きなんで、この手の本は割合良く接している方だが、本書は目新しい事がらが多く、異文化交流本としてもユニークな存在になっている。
 僕が一番好きなエピソードは、著者が小学校の運動会の徒競走に出たときに(黒人=アスリートというイメージのせいで)周りの(知らない人たちの)期待が異様に高いのが膚でわかるが、実際に走ったところ3着になってしまい、周囲の人々の落胆が伝わってきたという話。在日ブラジル人でサッカーができない人の話も以前聞いたことがあるが、あれと同じようなパターンであり、「人は見た目が9割」というのもあながち外れていないと感じる。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『中国嫁日記(本)』
竹林軒出張所『戦場から女優へ(本)』
竹林軒出張所『アフガニスタンの少女、日本に生きる(本)』
竹林軒出張所『「ニッポン社会」入門(本)』
竹林軒出張所『日本語ぽこりぽこり(本)』

by chikurinken | 2018-12-06 07:17 |
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