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竹林軒出張所

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『自民党で選挙と議員をやりました』(本)

自民党で選挙と議員をやりました
山内和彦著
角川SSC新書

『選挙』に対するもう一つの視点

b0189364_17443409.jpg ドキュメンタリー映画『選挙』に登場していた山内和彦が、あのときの選挙を振り返り、同時に川崎市議会の様子をレポートする本。内容は、あの映画を山内氏の目線で見るという類のもので、ドキュメンタリーで描かれた部分と重複する部分が多い。もちろん映画とは視点が違うため、映画と別の角度から見られるという利点があり、そのあたりが本書の面白い部分である。
 また、選挙で実際にかかった費用、その内訳、選挙スタッフや事務所の詳細などについても紹介されるため、自民党選挙の実態がかなり見えてくる。結局のところ僕の見方は、自民党というものはやはり経験の蓄積を持つ「選挙互助会」だ、というところに落ち着く。このように本書はあの映画を補う役割を果たしているため、両者で大きな相乗効果を上げている。
 その他にも市議会の様子や活動、それからベルリン映画祭での上映の様子(ここが一番面白かった)や想田監督との関係なども紹介され、内容は非常に多岐に渡る。語り口も優しく読みやすいためにすぐに読み終えることができる。特にあの映画を見た人には、一読の価値があると言える。もちろん、見ていない人にも!
★★★☆

追記:
 本当のところ、この山内氏の経歴が興味深いんでそのあたりも紹介して欲しかったところである。ちなみに映画では「東大卒」という肩書きが紹介されていたが(これについても本書で触れている)、東大に入る前に気象大学校と信州大学を中途退学しており、東大の卒業時は31歳だったというかなりユニークな経歴である。その後も切手・コイン商という趣味の延長みたいな仕事をやっていた(いる)らしい。むしろこういうところを有権者にアピールしていった方が親しみが持たれて選挙には良かったんじゃないかと思うが、そのあたりについては、自民党には自民党の思惑があったようだ。良くも悪くも自民党選挙には建前重視の日本型縦社会が反映されている。

参考:
竹林軒出張所『選挙(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『選挙2(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2018-11-04 07:44 |
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