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竹林軒出張所

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『パピヨン』(映画)

パピヨン(1973年・米仏)
監督:フランクリン・J・シャフナー
原作:アンリ・シャリエール
脚本:ダルトン・トランボ、ロレンツォ・センプル・ジュニア
出演:スティーブ・マックイーン、ダスティン・ホフマン、アンソニー・ザーブ、ロバート・デマン

過酷で壮絶な脱獄映画

b0189364_17041169.jpg 脱獄映画。主演は『大脱走』のスティーブ・マックイーン。
 脱獄映画は数あれど、この映画の舞台である南米ギアナのデビルズ島は、脱獄の難易度がもっとも高いと言える。こんなところから無事脱出するなんてあり得ないと序盤では思わされるが、それをやってのけるから映画になる。だからといってリアリティの欠片もないなんてことはない。あちこちに予想外のエピソード(たとえばハンセン氏病で隔離されている男や先住民たちの支援など)が出てくるため、リアリティがないなどという考えは一切浮かばない。それもそのはず、この映画の原作者、アンリ・シャリエール自身が、かつてこの刑務所に収容されており、9回脱獄を試み、9回目に成功させているらしい。つまり原作は、実話を基にした小説と来ている(ただし映画とは少々ストーリーが異なっているようである)。映画で描かれる刑務所内の様子や脱獄の過酷さは壮絶の一言で、真に迫っている。脱走映画ならこれくらいのリアリティは欲しい。
 キャストは、どの役者も好演で、特に主演の2人(スティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマン)は非常に魅力的である。監督のフランクリン・J・シャフナーは、原作ものばかり撮っている人だが、どの映画を見てもキャストが魅力的に映る。演出はきわめて正攻法で、「職人芸」という言葉が当てはまるような印象がある。この映画も大変よくできた作品で申し分ないんだが、他のシャフナー作品同様、結局エンタテイメントで終わってしまっているのが、少々物足りないような……。もちろんそれ以上を求めるのも無理があるということは承知ではあるが。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『網走番外地(映画)』
竹林軒出張所『パットン大戦車軍団(映画)』
竹林軒出張所『仲代達矢が語る 日本映画黄金時代(本)』

by chikurinken | 2018-10-04 08:03 | 映画
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