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竹林軒出張所

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『プレイス・イン・ザ・ハート』(映画)

プレイス・イン・ザ・ハート(1984年・米)
監督:ロバート・ベントン
脚本:ロバート・ベントン
撮影:ネストール・アルメンドロス
出演:サリー・フィールド、リンゼイ・クローズ、エド・ハリス、ダニー・グローヴァー、ジョン・マルコヴィッチ、エイミー・マディガン

苦境に立ち向かう南部の未亡人

b0189364_19132290.jpg 1930年代のテキサス州の小さな街が舞台。保守的な街で、黒人に対しては差別的な扱いをしている。主人公エドナは、あるとき突然未亡人になり、それまで金銭面はすべて夫任せだったことから、途端に生活に困窮する。襲いかかってくる困難に立ち向かうため、両足で踏ん張って必死で戦い抜いていく……、そういう女性の姿が描かれる映画である。
 ストーリーがしっかりしているため原作ものかと思っていたが、監督、ロバート・ベントンのオリジナル脚本である。ロバート・ベントンという人、あまり有名な監督ではないが、『クレイマー・クレイマー』の監督と脚本を担当した人であり、『俺たちに明日はない』の脚本を書いた人でもある。『クレイマー・クレイマー』が、日常的な話であるにもかかわらず、なかなか濃密なストーリーだったことを考えると、ベントンの力量も容易に推測できる。この映画でも本領が発揮されていて、脚本が非常に秀逸である。サブプロットとして周囲の不倫問題が絡んできたりするが、本筋とはあまり関係なく進んでいく。とは言え、当時の社会状況などを描くことに繋がっており、決して無駄というわけではない。当時の社会状況といえば、激烈な黒人差別、銃社会、それから竜巻被害などであるが、こういったものにより、アメリカ南部の過酷な生活がしっかりと描写されていて、このあたりもこの映画の魅力になっている。
 この映画の一番の魅力はキャラクターで、主演のサリー・フィールド、助演のダニー・グローヴァー、ジョン・マルコヴィッチが特に良い。子役の2人(ヤンクトン・ハットンとジェニー・ジェームズ)までも好演である。この辺も脚本の妙が大きいと思う。
 この映画、公開時に見ているが、サリー・フィールドが過酷な労働を辞さずに生き抜いていたというような印象しか残っていなかったが、しかしあらためて見ると見所の多い良い映画である。なんと言っても、ラストシーンが非常に印象的で、大きな余韻を残す。
第57回アカデミー賞脚本賞、主演女優賞受賞
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『クレイマー、クレイマー(映画)』
竹林軒出張所『俺たちに明日はない(映画)』
竹林軒出張所『クー・クラックス・クラン 白人至上主義結社KKKの正体(本)』
竹林軒出張所『戦いすんで日が暮れて(本)』

by chikurinken | 2018-09-17 07:13 | 映画
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