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竹林軒出張所

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『シャイアン』(映画)

シャイアン(1964年・米)
監督:ジョン・フォード
原作:マリ・サンドス
脚本:ジェームズ・R・ウェッブ
出演:リチャード・ウィドマーク、キャロル・ベイカー、ジェームズ・スチュワート、アーサー・ケネディ、エドワード・G・ロビンソン

意欲的だが退屈

b0189364_15445790.jpg ジョン・フォードの西部劇だが、先住民(インディアン)側の視点から描かれるという少し変わった趣向の映画。
 先住民のシャイアン族は、(「条約」により)強制的に狭い居留地に押し込められていたが、この「条約」を守らない米政府当局の横暴に反旗を翻し、居留地から集団で逃亡した。その後、彼らの主張は一部認められ、居留地を彼らの母なる土地であるワイオミングに帰還することが米当局によって認められることになるが、その過程を映画化したのがこの作品である。
 西部劇ではそれまでいつも悪者として成敗されていたインディアンからの視点で描くというのは、社会的にも歴史的にも非常に価値があったが、しかしなにしろ映画自体がかなり退屈で、随分間延びした印象を受ける。もちろんジョン・フォードらしい迫力のあるドンパチもあるが、シャイアンが飢えに苦しめられ行軍するというシーンが続き(しかもあまりリアリティのある描き方ではない)、追っ手の米軍側の描写もなんだかはっきりしない。途中、ワイアット・アープやドク・ホリデイまで出てきて、コントまがいのシーンを演じたりもする。サービスのつもりかも知れないが、冴えないシーンで、不要と感じる。
 監督はジョン・フォードだが、『荒野の決闘』『駅馬車』のイメージではなく、むしろ『タバコ・ロード』のイメージに近い。いろいろな箇所で質の低さを感じる。虐げられる側からの視点はユニークだったが、企画倒れで終わってしまったという映画で、見終わるのに苦労した(小分けにして結局3日間で見終わった。途中何度もやめようかと思った)。
★★☆

参考:
竹林軒出張所『ジェロニモ(映画)』
竹林軒出張所『荒野の決闘(映画)』
竹林軒出張所『駅馬車(映画)』
竹林軒出張所『黄色いリボン(映画)』
竹林軒出張所『リオ・グランデの砦(映画)』
竹林軒出張所『ウィンチェスター銃'73(映画)』
竹林軒出張所『タバコ・ロード(映画)』

by chikurinken | 2018-05-11 15:46 | 映画
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