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竹林軒出張所

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『仲代達矢 命と向き合う』(ドキュメンタリー)

仲代達矢 命と向き合う(2017年・NHK)
NHK-BS1 BS1スペシャル

仲代達矢84歳、いまだ現役

b0189364_17181752.jpg 仲代達矢、84歳。新作映画の主演もやり、新作演劇でも主演を務めるなど、いまだ活動的と思っていたが、実は満身創痍であることがこのドキュメンタリーからわかる。
 無名塾による新作演劇『肝っ玉おっ母と子供たち』(ブレヒト原作)の上演準備で忙しい仲代に密着するというのがこのドキュメンタリーの中心になるんだが、舞台稽古中に酸素吸入するわ腰を痛めるわ足がつるわで、稽古段階から大変。仲代本人は今回が最後の主演と語っているが、それも合点が行く。映画はともかく舞台はこれ以上は無理だろうと感じる。
 この『肝っ玉おっ母』だが、仲代の妻の宮崎恭子が生前演出を手がけた作品で、今回も宮崎の演出を踏襲するらしい。宮崎を盟友と語る仲代らしい扱いである。このドキュメンタリーにも生前の宮崎と仲代の様子が出てくるが、そういう様子は確かに窺われる。
 また、この作品自体反戦的な要素があり、それは悲惨な戦争を経験した仲代達矢自身の思いに繋がる。そのあたりがこのドキュメンタリーの肝の部分である。仲代がこのドキュメンタリーの中で語る戦争体験も非常に凄惨で、彼が戦争に対してどういう思いを抱いているかよく伝わってくる。
 基本的に仲代達矢の魅力で成立しているドキュメンタリーだが、舞台の様子も披露されてなかなか興味深い内容に仕上がっていた。なんと言っても初演した能登演劇堂(仲代と宮崎が設計に関わっている)で、屋外から舞台に入ってくるという冒頭シーンには驚いた。この舞台は一度ちゃんとした形で見てみたいものだと感じたが、公演はすでに終了していたのだった。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『役者なんかおやめなさい(本)』
竹林軒出張所『仲代達矢が語る 日本映画黄金時代(本)』
竹林軒出張所『切腹(映画)』
竹林軒出張所『肉弾(映画)』
竹林軒出張所『鍵(映画)』
竹林軒出張所『他人の顔(映画)』
竹林軒出張所『殺人狂時代(映画)』
竹林軒出張所『華麗なる一族(映画)』
竹林軒出張所『金環蝕(映画)』
竹林軒出張所『不毛地帯(映画)』
竹林軒出張所『吾輩は猫である(映画)』
竹林軒出張所『姿三四郎(映画)』
竹林軒出張所『二百三高地(映画)』
竹林軒出張所『上意討ち 拝領妻始末(映画)』

by chikurinken | 2018-02-08 07:17 | ドキュメンタリー
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