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竹林軒出張所

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『釣忍』(ドラマ)

釣忍(1966年・フジテレビ)
演出:小川秀夫
原作:山本周五郎
脚本:隆巴
出演:仲代達矢、新珠三千代、久米明、萬代峰子

山周の良くない部分が目立ったドラマ

『釣忍』(ドラマ)_b0189364_18135933.jpg 過去6回ドラマ化されている山本周五郎作の時代劇。
 大呉服屋を勘当された若旦那が、その後堅気になり、芸者と一緒になって棒手売りの商いに精を出していたところ、本家から戻ってほしいという話があり、女房に勧められるまま、女房と離縁した上で(大店であるため芸者の女房はダメとのこと)家に戻ろうとするが……というストーリー。
 シナリオは仲代達矢の妻である隆巴(宮崎恭子)で、これがデビュー作だということ。当時彼女、役者を引退した後で、主婦でもできる仕事をということでシナリオ学校に通っていて、それを仲代が勝手にテレビ関係者に見せたところ採用されたらしい。デビュー作であるためか、シナリオの完成度は低く、時代劇らしくない言葉遣い(「銭湯に行ってきたら?」とか)が多く、見ていて少し白けてしまう。そもそもストーリー自体が現代的な発想に基づいていて、かなり違和感がある。
 演出もやけに湿っぽく、1時間ドラマであるにもかかわらず最後まで見続けるのがつらい。山周(山本周五郎)の悪い面が出ているようで、あまり面白さは感じなかった。ちなみに全編モノクロであった。かなり古い作品で、よく残っていたなという類のドラマである。
★★★

参考:
竹林軒出張所『樅ノ木は残った 乱心(ドラマ)』
竹林軒出張所『椿三十郎(映画)』
竹林軒出張所『赤ひげ (19)(ドラマ)』
竹林軒出張所『いのち・ぼうにふろう(映画)』
竹林軒出張所『闇の歯車(ドラマ)』
竹林軒出張所『果し合い(ドラマ)』
竹林軒出張所『仲代達矢が語る 日本映画黄金時代(本)』

by chikurinken | 2018-01-08 07:13 | ドラマ
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