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竹林軒出張所

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『龍馬 最後の30日』(ドキュメンタリー)

龍馬 最後の30日(2017年・NHK)
脚本:相沢友子
出演:新井浩文、伊藤淳史、宇梶剛士、苅谷俊介、筒井道隆
NHK総合 NHKスペシャル

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 坂本龍馬が、暗殺される1カ月前に福井藩家老、中根雪江に出した手紙が発見された。それに基づいて、坂本龍馬が暗殺されるまでの1カ月間に何をしていたか、なぜ暗殺されたかについて大胆に推測し、ドラマ化したのがこの番組。
 端的に言ってしまえば、坂本龍馬が薩摩、長州、幕府を合体させ、あわせて福井藩主、松平春嶽をトップに据えて、新しい合議体制を作ろうと奔走していたということで、それを土佐藩主、山内容堂が不快に思い、龍馬の暗殺を指示したという内容である。しかもその計画には、坂本と一緒に殺された中岡慎太郎も一枚絡んでいたという。
 事実はまだ判明していないので話半分で見れば良いわけだが、どうも幕末史の世界では、坂本龍馬を必要以上に持ち上げる風潮があって(おそらく司馬遼太郎の『龍馬がゆく』以来の風潮なんだろうが)、このドラマも同じように、坂本龍馬が近代政治を見据えていたかのような扱いになっている。そういう点で、少々あほくさく感じてしまう。もういい加減、龍馬礼賛をやめたらと思うのは僕だけか。
 また、この番組で龍馬が構想したとされている体制は、明治政府で当初から採用されており(ただし総裁は松平春嶽ではなく、その後たびたび制度は改変される)、明治政府の中心的な人々のいわば共通理解だったと考えることもできる。これを龍馬が先取りしていたと見なすのはどうかと思う。
 全編ドラマ仕立てで、NHKスペシャルとしては珍しい構成だが、こういった人気者を素材に使うと視聴率が集まるんだろうなーなどと考えながら見ていた。ただ、坂本龍馬役の新井浩文が何だかパッとせず、随分、華のない龍馬になってしまった。
 この番組もそうだが、最近のNHKスペシャルは当たり障りのないものばかりになってきて、実につまらなくなった。現政権のNHKに対する圧力が功を奏したのかと勘ぐってしまう。
★★★

参考:
竹林軒出張所『幕末史(本)』
竹林軒出張所『決戦!鳥羽伏見の戦い(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2017-12-03 07:15 | ドキュメンタリー
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