大河ドラマ 平清盛 総集編(2012年・NHK)
演出:柴田岳志他
脚本:藤本有紀
出演:松山ケンイチ、玉木宏、松田翔太、深田恭子、伊東四朗、三上博史、井浦新
院政期の上皇同士の確執がミソ NHKの大河ドラマなんぞはもう20年以上ろくに見ていないが、院政期の勉強のためと思い、『平清盛』の総集編を見てみた。放送時につまらんなーと思いつつたまに目にしていたが、少なくとも白河法皇、鳥羽法皇、崇徳上皇あたりの描写がなかなか良かったため、このあたりに興味を持ったわけである。
ドラマ自体は、以前の印象と同じく、実につまらないもので、特筆すべき部分もない。そもそもこのドラマの根底になっている歴史観に疑問を感じる。たとえば清盛や義朝の口から「武士の世の中を作るのじゃ」などというセリフが語られるが、こういう考え方はきわめて現代風で到底あの時代の考え方とは思えないため、根本からリアリティを欠いているように思える。また運命論的なセリフも結構あって、「後の時代から見た歴史」観から抜け出ておらず、言ってみれば古いタイプの歴史ドラマである。
演技も特筆すべきことはなく、しかも年相応のメークもないため、年老いた清盛と息子たちとの掛け合いがあっても、彼らが親子なんだか兄弟なんだかわからないようなシーンが多い。こうなってくると学芸会というそしりを受けることも免れまい。ただし美術面はなかなか優れており、セット(あるいはCGかも知れないが)や衣装は実に良くできていた。また院政期の勉強にはなったので、それだけで良しとする。でもやっぱり大河はつまらんという考えに変わりはない。
★★☆参考:
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