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竹林軒出張所

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『京都人の密かな愉しみ blue 修行中』(ドキュメンタリー)

京都人の密かな愉しみ blue 修行中(2017年・NHK)
NHK-BSプレミアム ザ・プレミアム

どっこい生きてた『密かな愉しみ』
新シリーズは遊び心に溢れていた


『京都人の密かな愉しみ blue 修行中』(ドキュメンタリー)_b0189364_18284883.jpg 完結したはずの『京都人の密かな愉しみ』が、物語の背景を変えて装いも新たに蘇った。メインストーリーの主役だった老舗和菓子店の三八子(常盤貴子)は出てこない(話が完結したんで当然だが)。その代わりに職人(庭師、和食の調理師、パン職人、陶芸家、有機野菜農家)を目指す5人の若者の話がメインになる。野菜農家を職人として扱っていいのかとも思うが、番組ではいかにも職人風の扱い方をする。
 演出はこれまでと同じ源孝志で、ドラマ部分はよくできている。前のシリーズで見られたような「無理から」な展開は(今のところ)少ない。京都の風習にスポットが当てられるのも前シリーズと同様で、今回は五山の送り火が取り上げられる。扱い方はオーソドックスで、前のシリーズと違ってあまり奇抜過ぎないのも良い。例によって大原千鶴のお料理のコーナーもある。しかも試食のゲストとして呼ばれた(という設定の)京都市在住の2人の女性が、ドラマ部分の登場人物になっており、ドラマとドキュメンタリーが妙に混ざり合って、独特の面白味を醸し出している。遊び心に溢れた、斬新で実験的な試みと言って良い。
『京都人の密かな愉しみ blue 修行中』(ドキュメンタリー)_b0189364_18285123.jpg 前のシリーズみたいなツッコミどころはあまりなく、安心して見ていられる1時間半番組で、おそらくこれからも続くのは間違いない。バラエティ感覚でくつろぎながら見れば良いという類の番組である。もちろんドキュメンタリー、ドラマとしても良質である。なお前シリーズで登場したヒースロー先生(団時朗)が脇役として登場するのも、少し遊び心を感じる。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ 夏(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ 冬(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ 月夜の告白(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ 桜散る(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2017-10-09 07:28 | ドキュメンタリー
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