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竹林軒出張所

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『川は泣いている』(1)〜(4)(ドラマ)

シリーズ・街 川は泣いている (1)〜(4)(1990年・テレビ朝日)
演出:雨宮望
脚本:倉本聰
出演:東幹久、岩城滉一、横山めぐみ、いしだあゆみ、築山万有美、円浄順子、三木のり平、堀内孝雄、森本レオ

「泣いている川」とストーリーの本流には
関係があったのだろうか


b0189364_22484640.jpg 1990年にテレビ朝日で放送された倉本聰作の全4回のドラマ。テレビ朝日と倉本聰というと少し珍しい組み合わせのように感じる。それにテレビ朝日が「シリーズ・街」などというNHK風のタイトルを付けているのも奇異な感じがする。時代か?
 ストーリーの中心となるのは、葬儀屋の息子(東幹久)の青春ターニングポイントで、出会いと別れ、生と死などがテーマになる。途中『愛と死をみつめて』みたいな話も出てきて、いろいろなものがてんこ盛りされた、サービス精神溢れるドラマと言える。ただし取って付けたようなエピソードもありそのためにリアリティを少々欠いてしまった部分もある。
 堀内孝雄が伝説の歌手みたいな役で登場し、彼が劇中で歌う「川は泣いている」という歌がこのドラマのテーマ曲にもなっているが、この歌が演歌調で少々辛気くさい。エンドロールで流されるんだが、サスペンスドラマみたいな雰囲気を醸し出して(しまって)いる。ここだけ見ると、いかにも(かつての)テレビ朝日という感じになる。倉本ドラマとしては少し異色な演出と言える。
 主人公の独白がしきりに入る「北の国から」スタイルは倉本ドラマらしいが、このナレーションが必要以上に説明的であるためかなりうるさく感じる。ドラマの流れを少しぶちこわしている部分もある。説明のために入れているのであればセリフの半分以上は不要である。
 総じてそれなりのドラマという感じもするが、それでも昨今のドラマと比べると内容の密度、テーマ性などは段違いである。多少の古めかしさはあるものの、今見ても十分楽しめる作品である。
 なお「川は泣いている」というタイトルは、主人公の趣味であるカヌーとの関連だが(カヌーに乗っていると日本の川の破壊され具合が身にしみ、川が泣いていると感じるということ)、このテーマはストーリーとは直接結びつかず、なんのためのカヌーの設定かわからない。単に作者が川のことを主張したかっただけなのかと感じる。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『ダム建設中止問題の実在に関する考察』
竹林軒出張所『ダムはいらない! 新・日本の川を旅する(本)』
竹林軒出張所『聞き書き 倉本聰 ドラマ人生(本)』
竹林軒出張所『玩具の神様 (1)〜(3)(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 遠い絵本 第一部、第二部(ドラマ)』
竹林軒出張所『駅 STATION(映画)』
竹林軒出張所『冬の華(映画)』
竹林軒出張所『日曜劇場 ああ!新世界(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 ひとり(ドラマ)』
竹林軒出張所『ライスカレー (1)〜(13)(ドラマ)』

by chikurinken | 2017-07-04 06:47 | ドラマ
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