電子回路がわかる本
author著
オーム社出版局 なるほどナットク!
初心者向け風になってはいるが
初心者の僕にはよくわからない
電子回路の基本から応用まで解説する実用本。1つの項目を見開き2ページで紹介し、図版なども多用していて、わかりやすい。ただし内容がわかりやすいかというと必ずしもそうではない。たとえば発振回路や変調回路などを回路図とともに紹介して入るが、説明が明らかに足りず(なんせ図を含めて2ページ以内で収めている)、よくわからない箇所が非常に多い……というか回路についてはほとんど理屈がわからなかった。
また「デジタル回路」という章で紹介されている事項に(昨今のコンピュータでお馴染みの)「IDE」、「SCSI」、「RS-232C」まで入っていて、本当にこういう項目をこの本で紹介しなければならないのかはなはだ疑問に感じた。項目を厳選して回路の解説にもっと紙面を割いたらどうだと思う。さらに言うと、この本が2001年刊であるためか選ばれている事項が古い。「ISDN」や「ADSL」、「DAT」などの解説は、今の時点ではまったく必要ないんじゃないか。早々に改定すべきである。
全体的に筋をごく簡単になぞっただけという印象の本で、入門書としてははなはだ心許ない。電子関連の用語集みたいなものだと考えた方が良いか。
★★★
参考:
竹林軒出張所『手作りラジオ工作入門(本)』
竹林軒出張所『図解 つくる電子回路(本)』