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竹林軒出張所

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『新・映像の世紀 第2集』(ドキュメンタリー)

新・映像の世紀 第2集 グレートファミリー 新たな支配者(2015年・NHK)
NHK総合 NHKスペシャル

テーマは面白いがやはり物足りない

『新・映像の世紀 第2集』(ドキュメンタリー)_b0189364_8261796.jpg 『新・映像の世紀』第2回目は、第一次大戦後の世界が舞台だが、中心になるのはアメリカの大資本の動向である。石油のロックフェラー、金融のモルガン、化学のデュポンの他、電気のGEや自動車のビッグスリーなどが世界の経済を動かしていった20世紀前半の歴史を辿る。
 第1回と同様、第一次大戦後、ドイツの戦後賠償が(連合国の意向に反して)強く求められたのは、ウォール街を牛耳るモルガンの意向だったことが示される他、ロックフェラーやデュポンが米政府に対して影響力を行使していく過程も紹介される。当然、その背後の教科書的な歴史も映像で示される。禁酒法が、酒のせいで十分に働かない労働者への対策として資本家によって推進されたという逸話や、世界恐慌のときにロックフェラーが暴落した株を買い集めてその後大もうけしたなどという逸話も紹介される。
 「大資本が20世紀の歴史を作っている」という現代史の本質が見え隠れするようなテーマ設定は面白いが、やはり『映像の世紀』の続シリーズと考えると、もう少し世界史的な流れに沿った方向でさまざまな珍しい映像を見せてほしいと感じてしまう。テーマは新しいが、歴史ドキュメンタリーとして見ると何やら物足りなく感じるのは高望みしすぎか。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『新・映像の世紀 第1集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『新・映像の世紀 第3集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『新・映像の世紀 第4集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『新・映像の世紀 第5集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『新・映像の世紀 第6集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『映像の世紀 第1集〜第4集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『映像の世紀 第5集〜第8集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『映像の世紀 第9集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『映像の世紀 第10集〜第11集(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2015-12-05 08:27 | ドキュメンタリー
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