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竹林軒出張所

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『白夜/おかしな人間の夢』(本)

白夜/おかしな人間の夢
ドストエフスキー著、安岡治子訳
光文社古典新訳文庫

描写がくどくて読みづらい

b0189364_8351857.jpg ドストエフスキーの短編集。「白夜」、「キリストの樅ノ木祭りに召された少年」、「百姓のマレイ」、「おかしな人間の夢」、「一八六四年のメモ」の5編構成だが、最後の「一八六四年のメモ」は小説ではなくスケッチというか単なるメモである。ドストエフスキーの思想的背景みたいなものはわかるが、読んで面白いものではない。
 「白夜」は過去何度も映画化されている作品で、ドストエフスキーの中では割合有名な短編らしい。最後にちょっとしたオチがあるが、途中から見えてくるのでストーリー的な面白さはもう一つ。何より、他の作品にも共通するが、描写がくどくて読んでいて辟易する。こういう描写が魅力だという人もいるかも知れないが、読みづらくてしようがない。このシリーズでは、翻訳は比較的こなれた日本語を当てているということだが、それでも読みづらいし、日本語としてかなり不自然な感じがする。
 「キリストの樅ノ木祭りに召された少年」は童話みたいな話で、リアリズム的な悲惨さを反映してはいるが、短くよくまとまっている。この作品と次の「百姓のマレイ」については、簡潔で読みやすい。ただし取り立ててどうこう言う程のことはない。
 「おかしな人間の夢」が一番の難物で、くどいにも程があるという作品。斬新な話ではあるが、中身のほとんどは「夢」の話で、しかも持って回った表現が多い。短編なんだからもう少しシュッとまとめてくれたら良いのに……と思うのがドストエフスキー作品の特徴なのか。とにかくどれも読みにくい。今回久々に古典をと思って読んでみたが、正直少し後悔している。やはりドストエフスキーはくどくて読みづらい。翻案ものの映画やドラマで良いかなとあらためて思った。
★★★

参考:
竹林軒出張所『白夜(映画)』
竹林軒出張所『罪と罰(映画)』
竹林軒出張所『カラマーゾフの兄弟(映画)』
竹林軒出張所『変身/掟の前で 他2編(本)』

by chikurinken | 2015-11-28 08:35 |
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