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竹林軒出張所

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『佐知とマユ』(ドラマ)

佐知とマユ(2015年・NHK)
演出:榎戸崇泰
脚本:足立紳
出演:門脇麦、広瀬アリス、富田靖子、本田大輔、与座よしあき

意欲的だが、ちっちゃいことは気にしちゃダメ……なの?

b0189364_103257.jpg 「創作テレビドラマ大賞受賞作」というコピーが付いていたんでつい見てみたが、この賞、アマチュア作家向けの公募賞だったそうで少々ガッカリ。公募賞なんて、若い頃ならいざ知らず、先行き短い今となってはあまり見たい代物ではない。極力名作の類に触れたいというのが(このブログでも何度も書いているが)目下のテーマなんである。
 ましかし、公募賞であるという事実を知ると、確かにそれらしいストーリーではあるなと思う。たとえば、まったく世界が違う主人公の2人が唐突に出会って話が始まるというのもいかにも素人っぽい。やけに重いネタを扱っているにもかかわらず、なんだかご都合主義的に終わってしまったというのもそれらしい。重いネタに挑戦しているのは意欲的ではあるが、あちこちに無理が生じていて、リアリティを欠いているのは残念な部分である。
 親の愛を知らない2人の若い女(1人は深夜スーパーのバイト従業員の地味な20歳、もう1人はギャルメイクのホームレスの17歳)が、ふとしたきっかけで(この「ふとしたきっかけ」が常套手段である)出会い、共同生活を始め、その後お互いの過去を知って共感していき、お互いが孤独を癒やす存在になるというストーリー。
 ホームレスギャル(広瀬アリス)は収入も家もないのにスマホを活用しているとか、バイト暮らしの女性(門脇麦)がちゃんとしたアパートに住んでいるだけでなく叔父さんに定期的に金をせびられているとか、出産シーンで呼んだはずの救急車はどうなったかとか、細かい部分がいい加減なのはかなり気になるが、その辺に目をつぶると、「愛のない生き方で苦しむ若者」を扱ったのは、何度も言うが非常に意欲的である。ただ、こういうテーマを選ぶと当然のことながら葛藤がたくさん出てきて、ぶつかり合いが非常に多くなる。必然的に絶叫芝居が増えて、見るのが少々しんどくなる。「受賞作」という言葉に乗せられて最後まで見たが、途中で投げ出したいストーリーであった。当然のことながら、最後はいろいろなことがきれいに解決してそれなりに終わった。原稿用紙200字×50枚ぐらいのドラマだとやっぱり「それなり」に終わらせないと収拾がつかないんかな。
第35回創作テレビドラマ大賞受賞作
★★★

参考:
竹林軒出張所『夜明けのララバイ(ドラマ)』
竹林軒出張所『途中下車(ドラマ)』
竹林軒出張所『命のあしあと(ドラマ)』
by chikurinken | 2015-11-03 10:04 | ドラマ
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