ブーリン家の姉妹
(2008年・英米)
監督:ジャスティン・チャドウィック
原作:フィリッパ・グレゴリー
脚本:ピーター・モーガン
出演:ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、エリック・バナ、デヴィッド・モリッシー、クリスティン・スコット・トーマス、マーク・ライランス、ジム・スタージェス、アナ・トレント
アナ・トレントが大人になっていた
英国のテューダー朝の時代、国王ヘンリー8世に離婚を迫りその後皇后の座に就いた(いわば元祖略奪婚の)アン・ブーリンとその妹(姉という説もある)のメアリー・ブーリンの数奇な運命を描いた映画。原作もあり、2003年にはテレビドラマが作られている。したがってこの作品は二度目の映像化である。
『スターウォーズ エピソード3』のナタリー・ポートマンと
『ロスト・イン・トランスレーション』、
『真珠の耳飾りの少女』のスカーレット・ヨハンソンがブーリン姉妹を演じる。他に、ヘンリー王の前妻、キャサリン・オブ・アラゴンを演じたのが『ミツバチのささやき』の少女、アナ・トレントだということを知ってビックリ。キャサリン・オブ・アラゴンもなかなか存在感があって良かった。
ストーリーは、歴史劇ということもあり割合普通ではあるが、アン・ブーリンの手練手管ぶりやヘンリー王の奔放ぶりがしっかり描かれていて非常に見応えがあった。願わくばヘンリー王がもっとゲスに描かれていればとも思うが、歴史劇なんであまりに冒険的な演出も問題があるのかも知れぬ。ちなみにこのヘンリー王、
『わが命つきるとも』でもわがまま王として描かれるが、一般的なイメージも概ねこちらに近く、この映画のヘンリー像は上品すぎるような気もしないではない。
『わが命つきるとも』ではヘンリー王の周辺、つまり宮廷内からのイメージが描かれていたが、この映画では宮廷に入ったばかりの新参者(つまりブーリン一族)からのイメージが描かれていて、それもなかなかユニークな切り口ではある。衣装やセットなども手が込んでいて(ヘンリー8世の衣装はあの有名な肖像画を彷彿させる)、しかもスリルとサスペンスの要素も盛り込まれていて、良質の映画に仕上がっていた。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『わが命つきるとも(映画)』竹林軒出張所『冬のライオン(映画)』竹林軒出張所『エリザベス(映画)』竹林軒出張所『クロムウェル(映画)』竹林軒出張所『宮廷画家ゴヤは見た(映画)』竹林軒出張所『真珠の耳飾りの少女(映画)』竹林軒出張所『ロスト・イン・トランスレーション(映画)』--------------------------
以下、以前のブログで紹介した『スターウォーズ エピソード3』に関する記事。
(2006年10月2日の記事より)
スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐
(2005年・米)
監督:ジョージ・ルーカス
出演:ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ヘイデン・クリステンセン

アナキン・スカイウォーカーがいかにしてダース・ベイダーになるかというのがポイントだと思うが、そこらへんが非常に甘いというかリアルさがない。少し無理がある。それに背景も非常に薄っぺらで、大きな素材を扱った割には小さな世界しか描けていないと思った。悪くいえば中学生程度の想像力という感じ。こんなのがおもしろいですかと問いかけたくなる1本。
スターウォーズは最初のシリーズだけで良かったなと思わせてくれた。
★★☆