「睡眠第一!」ですべてうまくいく
成田奈緒子著
双葉社
「家族第一!」でうまくいく
睡眠の大切さを強調し、睡眠中心の生活を送るよう推奨する本。
睡眠の大切さは知っているつもりでお説ごもっともであるが、全編、家族の自慢話を聞かされているようで、あまり気分の良い本ではない。なんでも著者自身(医師をやっているらしい)も夜の8時とか9時とかに寝て、夜中の2時〜4時頃起きる生活をしているという。普通のサラリーマンには無理な生活パターンであるが、もちろん著者自身もこれが絶対と言っているわけではなくこういう生活も良いですよというアピールである。そして睡眠をまず第一に考えることで毎日の生活から無駄な時間を削ることができ、時間を有効利用できると訴える。まったくお説ごもっともで、自分でもこれから睡眠時間確保に積極的になろうと思う(それにしても2時台の起床は、かえって身体に悪いんじゃないかと思うが)。
ただ、やたら早寝早起きの利点を強調するあまり、少々うるさい感じがするのも確かで、方々に自分の家族が早寝早起きしていて毎日幸せみたいなことが書かれていると、あーそーですかと聞き流したくなってくるのだ。早い話、自慢話が多くてうっとうしい。
また、睡眠がいかに大切かという医学的な解説もあるが、どれもありきたりな話ばかりで取り立てて目新しさがない。それに一部独断的な見解も混ざっている。
自分の患者で、睡眠時間を正常にすることで不登校が解消されたケースなんかも紹介されているなど非常に興味深い事例もあるんだが、そういう事例紹介は比較的少ない。家族自慢が先立ってしまっているのが非常にもったいない。仕事でいろいろな事例に接しているんなら、そちらの紹介を中心にするのが専門家としての役割だと思うんだが、結局「専門家の本」にならずに「主婦の本」になってしまったのは、残念ながら本書の限界と言える。
★★★参考:
竹林軒出張所『子どもの夜ふかし 脳への脅威(本)』竹林軒出張所『脱ネット・スマホ中毒(本)』竹林軒出張所『不登校は1日3分の働きかけで99%解決する(本)』竹林軒出張所『ヒトはなぜ人生の3分の1も眠るのか?(本)』竹林軒出張所『脳は眠らない 夢を生みだす脳のしくみ(本)』竹林軒出張所『睡眠こそ最強の解決策である(本)』竹林軒出張所『「金縛り」の謎を解く(本)』