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竹林軒出張所

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『コンチネンタル』(映画)

コンチネンタル(1934年・米)
監督:マーク・サンドリッチ
脚本:ジョージ・メリオン・ジュニア 、 ドロシー・ヨースト
音楽、コン・コンラッド、マックス・スタイナー
出演:フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース、アリス・ブラディ、ベティ・グレイブル

見所はアステアのダンスのみか

『コンチネンタル』(映画)_b0189364_8323261.jpg ヒットしたブロードウェイ・ミュージカル『The Gay Divorce(陽気な離婚)』を映画版に焼き直したもの。「陽気な離婚」の邦題がなんで「コンチネンタル」なのか謎だったが、この映画の最大の見所のダンス・シーンで「コンチネンタル」という曲が延々と流され、アステアとロジャースがそれにあわせて踊りまわるからなんだろう。要はこの「コンチネンタル」がこの映画のミソになっているというわけ。
 主演のフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースは、この映画以降も名コンビとして名を馳せるが、この映画でも見事なダンスを披露している。なんでもダンス・シーンはほとんどアステアが振りなどを担当したということで、さすがの仕上がりである。
 ただミュージカルの舞台を焼き直したストーリーであるため、ストーリーはバカバカしいしギャグもくだらない。ダンスやミュージカルのシーンもとってつけたようでいただけない。さながら舞台を映像化して見せられているような錯覚に陥る。ただ舞台を見る分には許せるが映像化されたものだと許せないという部分も、僕のようなミュージカル素人にはあるわけで、自分としては受け付けられないという部分が割に多かった。
 ロジャースが演じた「ミミ」という役も性格が分裂気味で違和感があるし、ミミにつきまとうアステアも、動機が非常に不自然な印象を受ける。ということで、アステアのダンス・シーン以外はあまり見所がないというのが僕の印象であった。
 元々の舞台では音楽をコール・ポーターが担当していたが、この映画では「夜も昼も」以外削られ、他のオリジナル曲と差し替えられたらしい。著作権の問題なのかどうかはよく知らないが、結果的に(ポーターの曲以外が)アカデミー賞の主題歌賞を受賞することになったというんだから世の中はわからない。
1934年アカデミー賞主題歌賞受賞
★★★

参考:
竹林軒出張所『雨に唄えば(映画)』
竹林軒出張所『ロシュフォールの恋人たち(映画)』
竹林軒出張所『夜も昼も(映画)』
竹林軒出張所『五線譜のラブレター(映画)』
竹林軒出張所『ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ(映画)』

by chikurinken | 2015-07-04 08:33 | 映画
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