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竹林軒出張所

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『塀の中の自由 アフガニスタンの女性刑務所』(ドキュメンタリー)

塀の中の“自由” 〜アフガニスタンの女性刑務所〜(2012年・NHK他国際共同)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

b0189364_8191613.jpg男どものバカヤロー

 アフガニスタンの女性刑務所を取材したドキュメンタリー。刑務所と言っても、入所者の多くは、普通の国であれば犯罪者に当たらない。なんせ暴力的な夫から逃亡したり強いられた結婚から逃げたりといった女性で、むしろ彼女らにとってはこの刑務所がシェルターのような働きをしている。この刑務所に入っていなければ、暴力的な家族から虐待を受ける可能性まであるというんだから。
 また、この刑務所内の環境も非常におおらかで、もちろん簡単に外には出られないが、中では好きなことがかなりできる。金を稼いでいる人もあり、子どもを育てている人もある。刑務官もフレンドリーである。まったくもってシェルターに他ならない。入所者ものびのびしていて、シャバに出ると殺されるかも知れないというのが唯一の不安である。
 しかしこういう人々にスポットを当てることで、アフガニスタン社会の閉鎖性や理不尽さが逆に浮かび上がってくる。もちろんアフガンにはアフガンなりの道徳観があるだろうが、一部の人間の都合で犠牲になる人が現れるのは決して健全な社会とは言えまい。こういう社会通念がタリバンを呼び寄せたのかどうかはわからないが、こういう非人道的な感覚は一掃されるべきだと思う。一方で、タリバン支配の痕跡みたいなものは画面からは感じられなかった。アフガニスタンも少しずつ良い方向に向かっていけば良いが……などと思いながら見ていた。なお、このドキュメンタリーにはナレーションはない。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『プリズン・シスターズ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『タリバンに売られた娘(ドキュメンタリー)』
竹林軒『圧倒的な迫力、アフガン版ネオリアリズモ』
竹林軒出張所『祖国に幸せを(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『わたしが明日殺されたら(本)』
竹林軒出張所『アフガニスタンの少女、日本に生きる(本)』
by chikurinken | 2015-05-20 08:19 | ドキュメンタリー
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