雨に唄えば
(1952年・米)
監督:ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン
脚本:アドルフ・グリーン、ベティ・コムデン
作詞:アーサー・フリード
作曲:ナシオ・ハーブ・ブラウン
音楽:レニー・ヘイトン
出演:ジーン・ケリー、デビー・レイノルズ、ドナルド・オコナー、シド・チャリシー、ジーン・ヘイゲン
映画は名画だが
あいにくひどい商品を掴まされた
脳天気なハリウッド・ミュージカル映画……ではあるが、この脳天気さが結構心地良い。特にジーン・ケリーとドナルド・オコナーのはじけ方がもうのっぴきならない状態で、見ていて思わず微笑んでしまう。気分が落ち込んだときにこういう映画を見ると気持ちが明るくなる。そういう意味では癒やしの映画とも言える。
ストーリーは、トーキー創世記のハリウッドを舞台にしたもので、そういう点ではありきたりなミュージカル映画とは少々毛色が変わっている。映画界の内輪ネタみたいなものもあるし、スタジオを舞台として使った映像は楽屋オチ風でもあるしでなかなか凝っている。圧巻は雨の中でジーン・ケリーが踊りまくる有名なシーンだが、それ以外にも見所が多い。ただ終わりの方にあるブロードウェイ・ミュージカルは、10分ぐらい続くんだが、毎度毎度見るたびに退屈する。製作者側の一種のサービスみたいなレビュー映像で、シド・チャリシーまで登場してくるんだが、長すぎて飽きてしまう。僕にとっては「蛇足」という言葉がピッタリくるんだが、好きな人には堪えられないんだろうか?
ちなみにこの映画を見たのは今回で3回目。『ザッツ・エンタテイメント』(MGMのミュージカル映画を紹介するドキュメンタリー映画)も2回見ているし、雨の中のシーンについては数え切れないほど見ている。今回は、英語の勉強のつもりで
『雨に唄えば (別冊宝島 1597 名作映画で英会話シリーズ 7)』
という本を買ってそれの付属DVDを見たんだが、この付属DVDってのが粗悪で、いかにも「別のDVDからコピーしました」という代物で、なんと再生が途中で止まってしまった(異なる2台のDVDプレーヤーで同じ症状が出た)。こういうケースは初めてである。結局、ワーナー・ホーム・ビデオから発売されている正規版を見たんだが、いくらおまけだっつっても、金取って売るからにはちゃんと見られるものを提供すべきじゃないかと思う。こういう売り方は悪質で、詐欺に近い。この間の
『レベッカ』と言い、せっかくの名画が台無しである。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『レベッカ(映画)』竹林軒出張所『ロシュフォールの恋人たち(映画)』竹林軒出張所『ロバと王女(映画)』竹林軒出張所『ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ(映画)』竹林軒出張所『NINE(映画)』竹林軒出張所『銀座カンカン娘(映画)』