医療ビッグデータ 患者を救う大革命(2014年・NHK)
NHK総合 NHKスペシャル
お祭り騒ぎのような医療ドキュメンタリー
笛吹けども汝ら(少なくともアタシはね)踊らず
今流行りのビッグデータを活用することで医療が劇的に改善するということを訴えるドキュメンタリー。
いくつか事例が出ていて、まあ確かにビッグデータの活用によって患者の負担が軽減されたり医療が改善されたりしていることはわかるが、そもそもビッグデータを使わなくてもできるような事例が多く、こういうレベルの対策であればこれまですでにやっておくべきだったのではないかと思われるものばかりだった。
最後に紹介されていたぜんそくの例については、確かにデータの集積で患者の症状が改善したことはわかるが、これはどちらかというとビッグデータというより本人データの追跡・保管とGPSのおかげというような類のもので、ビッグデータの活用事例としてはあまり適切でないような気もする。
NHKスペシャルの医療特集は、将来の医療についてやけに期待を持たせるような番組作りが目立つが、一方で内容が薄いものも多い。同番組の他の社会ネタに比べると、レベルの低さが目に付く。この『医療ビッグデータ』についてもそれが当てはまり、NHKの医療ドキュメンタリー班の能力にちょっと疑問を感じるところだ。バカみたいに大騒ぎするような番組を作るんではなく、地に足を付けた番組作りを心がけてほしい。
★★★
参考:
竹林軒出張所『病の起源 第1集 がん(ドキュメンタリー)』