詩のこころを読む
茨木のり子著
岩波ジュニア新書
著者の現代詩愛が心地良い 詩人の茨木のり子が、さまざまな現代詩について、カテゴリー別に紹介していく本。
岩波ジュニア新書は基本的に中高生向けという位置付けだが、この本はまさに感受性が鋭い学習者のための本という感じで、詩人が、自分の好きな詩を生徒たちに紹介するというような体裁になっている。そのため詩への愛が随所に見受けられ、読んでいて何だか幸せな気分になってくる。紹介される詩もわかりやすいものが多く、日本の現代詩にはこれほど素晴らしいものが多いのかとあらためて感心する。
ここに登場する詩人については、僕自身、谷川俊太郎と中原中也以外ほとんど知らない人たちばかりだが、ユニークな詩が多く、目を開かされる思いがした。ぜひ身近な若者に読ませたいと感じるような本で、岩波ジュニア新書の中でも珠玉の1冊と言える。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『たんぽぽの日々(本)』竹林軒出張所『高田渡と父・豊の「生活の柄」(本)』竹林軒出張所『山之口貘の詩、そしてとぼけた味わいの曲』竹林軒出張所『一切合財みな常吉 -- 鈴木常吉「ぜいご」』竹林軒出張所『みすゞ(映画)』竹林軒出張所『ぼく 闇は光の母3(本)』