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竹林軒出張所

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『混沌のウクライナ』(ドキュメンタリー)

混沌のウクライナ 〜民主化10年の軌跡〜(2012年・仏Les Films Grain de Sable)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

ウクライナ情勢について学習する

b0189364_861740.jpg 昨今新聞を賑わせているウクライナ情勢についてのドキュメンタリー。
 ウクライナ情勢は、単純に親ロシア派と親EU派との覇権争いだと思っていたが(テレビや新聞ではそういうふうに伝えられることが多い)、ことはそう簡単ではないようで、新興財閥が取り入った保守政権(親ロシア派)とそれに反対する民主政権(親EU派)の戦いや民主政権内の利権争いなどの側面があって一筋縄ではいかない。同時期の日本の政治と似たような様相もあるが、ウクライナの場合はもっとひどく、政権に復活した保守政権が政敵を(不当に)逮捕したり、あるいは基地問題でロシアに取り入ったりして、あげくにロシアの政治への介入を招くなどしている。こうして、現在のような混沌とした状態になったというのが実情のようである。しかしあれだけ政権が腐敗したら反政府活動が盛り上がるのも納得ができるというもの。3月にウクライナに行ってきた知り合いが、あの「反政府デモ」(当時日本ではそのように報道されていた)のことを「一種の革命」だと言っていたのも、今となっては納得がいく。そういう意味でも大変勉強になったドキュメンタリーだった。このドキュメンタリーが製作されたのが2012年であるため、2012年までの状況しか伝えられていなかったのが惜しまれる。

このドキュメンタリーで伝えられたウクライナ情勢
 2004年、ヤヌコーヴィチが選挙で大統領に当選するも、不正があったとされ、EUの介入により再選挙、結果的にユシチェンコが当選する(「オレンジ革命」)。なおユシチェンコは選挙運動の際にダイオキシン中毒になり入院している(毒殺未遂説あり)。顔が一変したことは有名。
b0189364_853621.jpg ユシチェンコ大統領は、盟友ティモシェンコを首相に任命するが、やがて両者は政権内で衝突し、ティモシェンコは解任されてしまう。ユシチェンコは国民の支持を急速に失っていく。
 2010年の大統領選挙でヤヌコーヴィチが政権に返り咲くと、反動政策を強行し、新興財閥を優遇しながら中小企業に対して締め付けを行い、国民の反発を招く。しかもかつての政敵ティモシェンコを逮捕して監禁状態に置き、市民権まで剥奪してしまう。あげくにはクリミアのロシア海軍基地の租借権を25年延長(20142年まで)する(これがその後のロシア軍の介入を容易にしたという見方もできる)。(このドキュメンタリーではここまで)
 2014年に、ヤヌコーヴィチ政権に対する反政府活動が盛り上がり、ヤヌコーヴィチはロシアに亡命、親EU派の大統領、ポロシェンコが就任する(2014年5月末)。なお、この間、ロシアは経済的、軍事的にウクライナに圧力をかけている。少し前にクリミアをロシア領に組み込むと宣言したのも記憶に新しいところである。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『プーチンの道(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2014-06-04 08:09 | ドキュメンタリー
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