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竹林軒出張所

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『プライベート・ライアン』(映画)

プライベート・ライアン(1998年・米)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:ロバート・ロダット、フランク・ダラボン
撮影:ヤヌス・カミンスキー
出演:トム・ハンクス、トム・サイズモア、エドワード・バーンズ、バリー・ペッパー、アダム・ゴールドバーグ、ヴィン・ディーゼル、マット・デイモン

破格の戦闘シーンを堪能すべし

b0189364_8115254.jpg ハリウッド製の戦争映画だが、まず冒頭のノルマンディー上陸作戦のシーンで度肝を抜かれる。ドイツ軍の機関銃が、上陸するアメリカ兵を掃射するんだが、撃たれた兵隊はそれはそれは凄惨な姿をさらす。肉片が飛んだり頭が吹き飛んだりで、従来型の『コンバット』風戦争映画とはひと味違うことがわかる。で、こういうシーンが、断続的にではあるが最後までずっと展開され、戦争のリアリティが執拗に追求される。もっともこっちは戦争体験なんかないんで本当のところはわからないが、しかしこれがリアルな戦争なんだろうというのは容易に想像できる。これがこの映画の最大の見所である。敵兵士も同じ人間であることがしっかり描かれるため、途中から戦闘という名の殺し合いをやっている意味みたいなものが見えなくなるが、これはまさに登場人物たち、つまり兵士達の感覚に近いんじゃないかと思う。そういう意味でも反戦映画としての役割を十分果たしていると言える。その点については特に高く評価したいと思う。
 ただしストーリーはまことにハリウッド的というか英雄的で、しかも少しばかり予定調和的であるのが残念なところ。ありきたりな要素が随所に散りばめられているのも難点である。ハリウッド映画だとどうしてもこういう方向に持っていかなければならないってことだろうか。
 もしこの映画の戦闘シーンが『コンバット』みたいな安易なものだったら、この映画自体まったく価値のないものになっていただろうが、いかんせん戦闘シーンとそれによってもたらされる強烈なメッセージ性が破格であるため、この映画の価値はまったく揺るがない。3時間近くの長い映画だが、緊張感は当然持続するし、まったく飽きることもない。劇場で見たら、リアルな戦場を疑似体験できること間違いなしで、後を引くものもさぞかし多いんじゃないかと思う。
 なおタイトルの『プライベート・ライアン』はなんだかよくわからないタイトルだが、原題の『SAVING PRIVATE RYAN』は「ライアン二等兵の救出」というような意味。こちらは具体的でわかりやすいタイトルと言える。
★★★★

参考:
竹林軒出張所『炎628(映画)』
竹林軒出張所『ダンケルク (2017年版)(映画)』
竹林軒出張所『戦争のはらわた(映画)』
竹林軒出張所『戦火のかなた(映画)』
竹林軒出張所『ナバロンの要塞(映画)』
by chikurinken | 2014-04-28 08:12 | 映画
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