第十七捕虜収容所
(1953年・米)
監督:ビリー・ワイルダー
原作:ドナルド・ビーヴァン、エドマンド・トルチンスキー
脚本:ビリー・ワイルダー、エドウィン・ブラム
出演:ウィリアム・ホールデン、ドン・テイラー、オットー・プレミンジャー、ロバート・ストラウス
舞台劇風でよくまとまっているが
少々作りすぎの印象
第二次大戦時のドイツ軍の捕虜収容所を舞台にした話。
捕虜収容所が舞台のハリウッド映画といえば大体は脱走劇で、ナチス・ドイツに一泡吹かせたというようなものが多いが、この映画は多少違う。むしろ密室劇みたいな内容で捕虜収容所内の人間関係を描き出すというようなやや重い話である。密室劇風ということを考えると戯曲が原作かという頭が働くが、やはりその通りで、原作はブロードウェイの舞台劇だという。さっき言ったような脱走劇云々についてもある程度ハリウッドの伝統を踏襲していると言えなくもない。
内容は重厚だが、ビリー・ワイルダーらしいくすぐりの要素もあって十分楽しめる。ただどことなく作りすぎというか、自然さに欠けるというか、ドラマのために用意した設定みたいな印象も受けた。
1953年アカデミー主演男優賞受賞
★★★☆参考:
竹林軒出張所『麗しのサブリナ(映画)』竹林軒出張所『昼下りの情事(映画)』竹林軒出張所『フロント・ページ(映画)』竹林軒出張所『深夜の告白(映画)』竹林軒出張所『戦場にかける橋(映画)』竹林軒出張所『ナバロンの要塞(映画)』竹林軒出張所『アウシュビッツに潜入した男(ドキュメンタリー)』