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竹林軒出張所

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『スターリンの亡霊』(ドキュメンタリー)

スターリンの亡霊(2013年・仏INA)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

あいにく日本にも似たような亡霊がいるのだ

b0189364_8274123.jpg 第二次大戦時ソビエトを支配したのは、言わずと知れたスターリン。そして多数の同胞を粛正したことでも有名である。その犠牲者は2000万人を超えるとも言われる。一方で、歴史的に見ると(スターリンの能力のためかどうかはわからないが)ナチスを撃退したという功績もあり、「強いロシア」を求める一部の人間にはスターリン時代回帰の志向が見られるらしい。端的に言えば、ドイツのネオナチ、日本の右翼連中と同じなんだろうが、要はこれがスターリン時代の暗部にまったく目を留めない懐古主義的な発想で、それがために民主主義的な局面において大きな危険性を孕んでいるというのがこのドキュメンタリーの主張である。
 スターリン時代の犠牲者自体まだ全体が明らかになっておらず、一部のNPOが解明のための活動に従事しているという段階なのだが、最近ではプーチン政権による横やりもあってその進捗状況は芳しくない。しかも、こういった政府の行動からわかるように、プーチン政権にスターリン時代への回帰を望んでいるかのような姿勢が見えるという。そのため、何かの拍子にスターリンの亡霊(スターリンを理想化した偶像)が復活する可能性があるというのが現状なんだそうだ。こういった状況は、スターリンおよびその時代に対して歴史的にきちんと断罪していないために起こるのであり、このままだとスターリンが美化され、あの悲劇を繰り返すことになりかねないという。
 日本のことを言っているのかという錯覚にも陥るが、いずれにしても過去に対してキチンと歴史的に決着をつけなければ、また愚かな歴史を繰り返す可能性が出てくるのは至極当然で、実際日本でもことあるごとに妙な連中が妙な主張を行っている。そしてこういう短絡的な主張が、わかりやすいためか愚かしい人々に受け入れられやすいという面もある。愚かしい主張に振り回されている人々は、このドキュメンタリーをしっかり見て、他山の石にしていただきたいと切に願う。
★★★☆
by chikurinken | 2014-02-19 08:28 | ドキュメンタリー
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