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竹林軒出張所

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『武士の一分』(映画)

武士の一分(2006年・『武士の一分』製作委員会)
監督:山田洋次
原作:藤沢周平
脚本:山田洋次、平松恵美子、山本一郎
出演:木村拓哉、檀れい、笹野高史、坂東三津五郎、桃井かおり、緒形拳

映画の見本みたいな作品

『武士の一分』(映画)_b0189364_8152416.jpg 藤沢周平の短編小説の映画化で、山田洋次の「時代劇三部作」(他は『たそがれ清兵衛』と『隠し剣 鬼の爪』)の完結作。比較的単純なストーリーだが、細部に渡ってしっかり作られた見本みたいな映画である。
 見る前は、出演が木村拓哉ということでちょっと敬遠していたが、おおむね無難にこなしていた。石原裕次郎にも当てはまるが、こういう「スター」が映画やドラマに出ると、どうしても役の方を自分のイメージに近づけがちで、結果的に一人だけ浮いてドラマをぶちこわしにしてしまうことが多い。この映画の場合、方言が(どこの言葉だかわからないが)そういうスター突っ走り要素を排除する役割を果たしている。この間見た『太平洋ひとりぼっち』も関西弁が裕次郎の余計な「スター性」を排除することになって、それが映画として良い結果につながっていた。
 また、檀れいや笹野高史など、脇役も良い味を出している。ともかくあらゆる要素が高い水準でまとめ上げられていて、職人芸のような映画に仕上がっていた。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『たそがれ清兵衛(映画)』
竹林軒出張所『太平洋ひとりぼっち(映画)』

by chikurinken | 2014-01-08 08:15 | 映画
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