『サイコ』（映画）

サイコ（1960年・米）
監督：アルフレッド・ヒッチコック
原作：ロバート・ブロック
脚本：ジョセフ・ステファノ
音楽：バーナード・ハーマン
出演：出演：アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー、ジョン・ギャヴィン、ヴェラ・マイルズ

サイコパス映画の走りでありながら
映画技法の教科書

　ヒッチコックの代表作にして、さまざまな映画技法の教科書にもなっている映画。しかし技法的なものだけでなく、途中で主演女優がいなくなるなど、今でも斬新であり続ける演出が目を引く。サイコパス映画の走りと言って良い作品だが、ホラー仕立てのミステリーとして完成されており、その後の同種の映画のステレオタイプにもなっている。今見ても、まったく破綻はないし、話の流れを二転三転させる演出も特筆ものである。非常に密度が濃く、製作者の技術が結集しているような作品であった。
　なお、恒例のヒッチコックのカメオ出演は、映画を見ている範囲では気が付かなかった。後で調べたところによると、事務所の外であちらを向いている紳士がヒッチコックらしいが、こういう事実を知った上で見てもはっきりと識別できなかった。
★★★☆

参考：
竹林軒出張所『巨匠たちの肖像 ヒッチコック（ドキュメンタリー）』
竹林軒出張所『白い恐怖（映画）』
竹林軒出張所『知りすぎていた男（映画）』
竹林軒出張所『裏窓（映画）』
竹林軒出張所『マーニー（映画）』
竹林軒出張所『北北西に進路を取れ（映画）』
竹林軒出張所『泥棒成金（映画）』
竹林軒出張所『ロープ（映画）』
竹林軒出張所『レベッカ（映画）』
竹林軒出張所『バルカン超特急（映画）』
竹林軒出張所『海外特派員（映画）』