椿姫ができるまで(2012年・仏)
監督:フィリップ・ベジア
出演:(ドキュメンタリー)ナタリー・デセイ、ジャン=フランソワ・シヴァディエ、ルイ・ラングレ
延々と続くリハーサル映像!
退屈で退屈で……ふぁ〜あ(あくび)ならねェ 久々に劇場まで足を運んで見た映画だが、まったくの期待外れ。金も時間も無駄にした。
タイトルが『椿姫ができるまで』なんで、てっきり
『パリ・オペラ座のすべて』とか
『パリ・ルーヴル美術館の秘密』みたいに、オペラを作り上げる舞台裏を紹介していくドキュメンタリーかと思ったら、なんのことはない、単なるリハーサル風景じゃないか。しかも舞台監督と歌手や指揮者がぶつかり合って火花が散るような場面があるかと思えばそれも皆無で、ただ単に演出家の指示通り、歌手が演じていくというパターンばかりで、見ていて面白くもなんともない。主演の歌手はナタリー・デセイという有名なソプラノらしいが(僕は知らなかった)、年も結構行ってるし、この間のグルベローヴァ同様、椿姫の雰囲気はあまりない。しかも作られる『椿姫』の舞台が、現代風に移植されたもので、美術や衣装の面白さもほとんどない。美術部や衣装部も申し訳程度に紹介されるが、そもそも美術や衣装にあまり面白さがないので、彼らの仕事についても見るべきところはあまりない。要するに何もかもどうってことがない映像が延々と続くのだった。
この内容なら、『椿姫ができるまで』というようなもったいぶったタイトルにせず、単純に『椿姫のリハーサル』とすべきである。オペラ版『椿姫』のDVDの特典映像として収録される程度のドキュメンタリーで、特筆すべきことはない。ナタリー・デセイや椿姫の熱烈なファン以外、一切お奨めできない。
★★参考:
竹林軒出張所『ヴェルディ 歌劇「椿姫」(DVD)』竹林軒出張所『パリ・オペラ座のすべて(映画)』竹林軒出張所『エトワール(映画)』竹林軒出張所『日曜劇場 ぼくの椿姫(ドラマ)』