あなたは利用条件に“同意する”? 〜ネットと個人情報〜
(2013年・米Hyrax Films/Topiary Productions)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー
あなたは利用条件を信用する?
ネット社会でさまざまな個人情報が巧妙に収集されている現状を告発するドキュメンタリー。
ソーシャルネットワークをはじめとする、ネット上のさまざまな無料サービスは、表向き善人面しているが、実は個人情報を収集してよそに売り飛ばしたりすることで(も)利益を得ている。もちろんいくら厚顔無恥でも勝手にそんなことをすれば信用を失うので、例の「利用条件」というやつを最初にユーザーに提示して「同意」させるという手続きを踏んでいる。ただしこの「利用条件」、ほとんどの人は読まずに「Agree(同意)」ボタンを押すことが多く、実質的にユーザーが同意の意志を示していることにはなり得ない。そもそもこういった条件をユーザーに提示するのであれば、わかりやすい文面で目立つように示すのが筋、というか多くの国の法律でそう定められているのだが、そういったことはお構いなしで、平然とやってのける彼らはやはり厚顔無恥なんだろう。
本来であればユーザーの方で十分「利用条件」を吟味した上で参加不参加を決めるべきなんだろうが、あんな無駄に長く冗長な文章を読むべきだと言えるのかは少々疑問で、結局のところ、個人情報を好き勝手に利用されるのがイヤなら端からこういったサービスを利用しないようにするしかないということ。
このドキュメンタリーで印象的だったのは、フェイスブックの生みの親、マーク・ザッカーバーグが、サービス開始当初、ユーザーのことを「あいつらは平気で個人情報を差し出してくる」といって嘲笑していた音声が紹介されていた部分である。彼にとってはユーザーはカモなんだろうなー。ちなみに、最近各国要人の盗聴で有名になったアメリカ政府機関だが、フェイスブックなどのソーシャルネットワークも当然のことながら監視しているらしい。いずれにしてもプライバシーは安易に公開しないのが一番。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『#フォロー・ミー(ドキュメンタリー)』