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竹林軒出張所

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『フェリックスとローラ』(映画)

フェリックスとローラ(2000年・仏)
監督:パトリス・ルコント
脚本:クロード・クロッツ、パトリス・ルコント
出演:シャルロット・ゲンズブール、フィリップ・トレトン、アラン・バシュング、フィリップ・デュ・ジャネラン

オリジナリティあふれる恋愛映画

『フェリックスとローラ』(映画)_b0189364_8524925.jpg 前にも書いたが、7年前に一度見てその後見たことすらも忘れていたという映画。先の予告通り、今回もう一度見た。
 今回見直して感じたのは、(手前味噌だが)前に書いた評は割合適切であったということで、今回も非常に似たような感想を持った。前回の評ではほとんど内容に触れておらず、なんだか奥歯にものがはさまったような記述だったが、それはこの映画がストーリーを重視した映画であるためだということもあらためて確認した。ストーリーに極力触れていなかったために、後で評を見ても内容をまったく思い出せないということにつながったわけだ。もちろんルコント作品であるため、ストーリーだけでなく情緒面でも見所が多いが、全体的にミステリー風に話が進むので、まあここでもストーリーは披露しない方がよかろうと思う。
 シャルロット・ゲンズブールが「謎の女」を演じているが、これが素顔の彼女とまったく違うキャラクターで、そういう意味でもゲンズブールの好演が光り、非常に魅力的である。それから舞台になっている移動遊園地も良い雰囲気を出している。途中まで(緊張を強いられ)なかなかシンドイ展開だったが、試聴後感は非常に良い。「謎の女」が出てくることから想像がつくが、やはりルコントらしく男目線の映画である。ただ、他のルコント映画のようなエロ視線はあまりない。あくまで情緒的な恋愛映画にとどまっていて、その辺も見た後の心地よさにつながっているのかも知れない。
★★★☆

 以下、前回の評(再掲)。
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(2006年12月13日の記事より)
フェリックスとローラ(2000年・仏)
監督:パトリス・ルコント
脚本:クロード・クロッツ、パトリス・ルコント
出演:シャルロット・ゲンズブール、フィリップ・トレトン、アラン・バシュング

 恋愛ドラマだが、さすがはルコント、一筋縄ではいかない。なかなかミステリアスに話が進行していく。精神的に少し緊張感を強いられるが、それでも話は淡々と進む。
 シャルロット・ゲンズブールのメークがスゴイ(サイレント映画の登場人物のようにシルエットを強調したかったらしい)が、時折見せる笑顔がなかなか魅力的。劇中でも「笑顔が良い」と周りに言われているが……。
 恋愛ドラマを見たくてこの映画を見たのだが、期待していた方向性とは少し違っていた。それでも十分見応えがある佳作であった。
★★★☆

追記:『仕立て屋の恋』も見直してみたが、こちらは前の評で必要十分である。あれ以上書いてしまうとネタバレになる。ストーリーが非常に重要な映画だからネタは極力仕込まないで(先入観なしで)見ることをお奨めします(75分程度の中編映画なので見る上であまり負担はないと思う)。

参考:
竹林軒出張所『仕立て屋の恋とフェリックスとローラ(映画)』
竹林軒出張所『髪結いの亭主(映画)』
竹林軒出張所『親密すぎるうちあけ話(映画)』
竹林軒出張所『橋の上の娘(映画)』
竹林軒出張所『暮れ逢い(映画)』
竹林軒出張所『歓楽通り(映画)』
竹林軒出張所『ぼくの大切なともだち(映画)』
竹林軒出張所『イヴォンヌの香り(映画)』
竹林軒出張所『ジェイン・エア(映画)』
by chikurinken | 2013-10-22 08:54 | 映画
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