地上5センチの恋心
(2006年・仏、ベルギー)
監督:エリック・=エマニュエル・シュミット
脚本:エリック・=エマニュエル・シュミット
出演:カトリーヌ・フロ、アルベール・デュポンテル、ジャック・ウェベール、ファブリス・ミュルジア
問題を残したままで終わった映画
すべてを解決して終わらせるのが筋だと思うが

『ノッティングヒルの恋人』を思わせるような単純なストーリーの映画で、ある小説家(男)の熱烈なファンの女性(主人公)が、その作家と近づきになるという話。ストーリー自体は面白味に欠けるし、少々バカっぽい話だが、この女性が周りの人間を幸せにしていくという展開はなかなか心持ちが良い。また、映像にも随所に工夫が見られる。途中ミュージカル風に展開していくのも楽しい。
ただ結末には納得がいかない。主人公から見ればハッピーエンドだが、劇中に提示されたすべての問題が解決して終わっているわけではないため(小説家の家族は一体どうなったのか。まるで存在しなかったかのような終わり方で、このままだとこの後修羅場が出てくるんじゃないか)なんだかモヤモヤした終わり方になっている。アマゾンのDVD紹介ページを見ると、この映画を高く評価している人が結構いるみたいだが、このあたりはどうやって折り合いを付けたんだろうか、大いに疑問が残る。
★★★