逮捕されたらこうなります!
Satoki著、國部徹監修
自由国民社
せっかくなんだから
経験をもっと披露してくれ 冤罪で逮捕されたことがある(後、無罪ということで釈放)という著者が、逮捕されて留置場に入れられ、取り調べが行われて、その後拘置所に送られる(または釈放される)までの過程を丁寧に解説した本。冤罪でしょっ引かれたときのために予習してくださいということらしい。
内容は著者の経験に基づいていて、しかも弁護士の監修が付いているため、全体のプロセスはよくわかるが、どことなくもの足りなさが残る。たとえば、逮捕されてしまうとなかなか外部と連絡が取れず、弁護士を選ぶのも難しいと書かれていて、しかも頼りない当番弁護士に当たったりしたら悲惨という旨のことが書かれている。実際、著者は頼りない当番弁護士に当たって、その後弁護士を替えたらしいんだが、弁護士を選ぶ作業自体が困難を極めるのに一体どうやって新しい弁護士を選ぶことができたのかがよくわからない。このあたりは経験を詳しく具体的に書いてほしかったところで、結果的に大事なところが欠落しているという印象になった。こういう核心に迫れていないというか、もの足りない箇所が全体に散見されて、結局、プロセスを紹介しただけの通り一遍の本になってしまった。せっかく逮捕経験があるのに、それを披露していないため、とても残念な結果になってしまっている。大体の流れは掴めるんだが、捕まったときの予習の材料としては少々もの足りないという、そういう本である。
★★★参考:
竹林軒出張所『裁判所の正体(本)』竹林軒出張所『ブレイブ 勇敢なる者(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『雪ぐ人(本)』竹林軒出張所『死刑弁護人(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『正義の行方(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『“冤罪”の深層(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『裁判長のお弁当(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『検事のふろしき(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『ふたりの死刑囚(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『眠る村(映画)』竹林軒出張所『エルピス (1)〜(10)(ドラマ)』竹林軒出張所『時間が止まった私(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『私は屈しない 特捜検察と戦った女性官僚と家族の465日(ドラマ)』