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竹林軒出張所

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『小人の饗宴』(映画)

『小人の饗宴』(映画)_b0189364_7411023.jpg小人の饗宴(1970年・西独)
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク
出演:ヘルムート・ドーリンク、ゲルト・ギッケル、パウル・グラウアー

何もかも歪んだ奇妙な映画

 タイトルどおり、小人のヒトばかりが出てくる、小人による小人の映画。
 小人のための収容施設で、入所者たちから「先生」と呼ばれる立場の指導員が監禁される。その監禁事件の顛末。ちなみに「先生」は白木みのるによく似た小人。
 登場人物が小人のヒトでなければ映画のストーリーとして成立しないような話で、そういう意味では『フリークス』みたいな映画と同一線上と言える。そういうこともあり、見ていてあまり良い気持ちがしない。ただ、そういう部分で、自分の中の差別意識みたいなものとも対峙しなければならなくなる。それがヘルツォークの狙いかどうかわからないが、そういった映画である。
 映像は全編モノクロ。詩的な映像もあるが、とにかく画面中小人のヒトばかりである。しかもこういう人達が好き勝手に狼藉を働き、らんちき騒ぎを繰り返す。最初から最後までかれらの甲高い声、笑い声が響き渡る。全編「饗宴」というより「狂乱」という有様で、見ていてあまり楽しくない、というか気分が悪くなる。ヘルツォークが何を目指したのかよく分からないが、いずれにしてもこの映画がヘルツォークの出世作になったらしい。まったく変な映画だ。
★★☆

参考:
竹林軒出張所『キンスキー、我が最愛の敵(映画)』
竹林軒出張所『アギーレ・神の怒り(映画)』
竹林軒出張所『フィツカラルド(映画)』
竹林軒出張所『ノスフェラトゥ(映画)』
竹林軒出張所『コブラ・ヴェルデ(映画)』
by chikurinken | 2013-06-01 07:41 | 映画
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