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竹林軒出張所

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『もうひとつのアメリカ史』(1)〜(4)(ドキュメンタリー)

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史(2012年・米Showtime)
第1回 第二次世界大戦の惨禍
第2回 ルーズベルト、トルーマン、ウォレス
第3回 原爆投下
第4回 冷戦の構図
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

b0189364_8571273.jpg無能な指導者が
世界中にまき散らした災厄


 映画『プラトーン』や『サルバドル』を監督したオリバー・ストーンが、現代アメリカ史を自身の視点で洗い直そうというドキュメンタリー。オリバー・ストーンが作るドキュメンタリーだけに、当然、アメリカ中心の傲慢な歴史観で描かれるわけもなく、アメリカ政府に不信感を抱く人々にも受け入れられる内容になっている。
 第1回から第4回までは、第二次大戦への参戦から冷戦時代までで、基本的にはルーズベルトが有能、トルーマンが無能、ウォレスが正義の人という描き方である。ウォレスというのは日本ではあまり知られていないが、1941年から4年間副大統領を務めたリベラルな人物で、ヘンリー・A・ウォレスという御仁。この人は、ニューディール政策の時代、農務長官として腕を振るい実績を残して、その後ルーズベルトによって副大統領に任命されるが、ルーズベルトの4期目、副大統領候補の選挙でトルーマンに敗れてしまう。なんでも当時の人気は絶大で、しかも予備選挙では圧勝だったんだが、その後、彼の姿勢がリベラル過ぎるとする一部の民主党実力者が画策して、当時無能として知られていたトルーマンを強引とも思える手法で副大統領候補に擁立したという(無能だから害がないだろうということらしい)。こうして無能なトルーマンが副大統領に就任するんだが、そのルーズベルトが1945年に死去したことから副大統領のトルーマンが大統領に就くことになった。
 この無能な大統領が、まったく無用だった広島、長崎への原爆投下を指令した上、その後、敵対する必要がなかったソビエトと敵対し、さらに赤狩りで多くの文化人に危害を加えた元凶になったというのがオリバー・ストーンの見方である。しかもトルーマンの退任時の支持率が、あのジョージ・W・ブッシュに匹敵するものだった(このことを強調していた)というコメントまで加えていた。
b0189364_945024.jpg このようにトルーマンは、ストーンの見方によると、世界中を混乱に陥れた元凶なんだが、もしあのときウォレスが副大統領に就任していたらその後の歴史も大きく変わっていたかも知れないというのが、このドキュメンタリーの第4回までのテーマである(と思う)。過去の記録映像もふんだんに使われ、見飽きないような工夫も施されていて面白く見ることができるが、「もうひとつの」という割には比較的ありきたりなような気もする。第5回以降に期待というところ。
 なお第5回から第7回は5月6日から放送される。5月5日、6日には第1回から第4回までの再放送がある(どちらもNHK-BS1)。また書籍版もあるようで、こちらも興味が湧くところ。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『もうひとつのアメリカ史(5)〜(7)(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『もうひとつのアメリカ史(8)〜(10)(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『決断なき原爆投下 米大統領71年目の真実(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2013-05-03 09:04 | ドキュメンタリー
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