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竹林軒出張所

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人のふんどしで自炊する -- 自炊体験記

 先日、自炊してきた。
 「自炊」というのは、本をスキャンしてデータ化することを表す。データ化すると、スマホやPCで使えるなどあちこちで使い回しができるようになる。そういう点で便利なんで、もっぱら巷でせっせと「自炊」する人が増えているらしい。ちなみにこの作業、「自分でデータを吸い出す」ことから「じすい」と呼ばれるようになったという。
 本をスマホで持ち歩く必要性は今のところ感じていないんだが、データ化しておく便利さは実感する。特に問題集なんかはデータ化することで使い回しがきくようになるので、データ化のメリットは大いにあると思う。そういうわけで、僕も自炊してみたいと思うようになったんだが、だからといって道具(スキャナーと裁断機)を買うというのもちょっと気が引ける。自炊対象の本が何百冊もあるってんなら買うメリットもあるが、僕みたいに数冊しかない上、ちょっとお試しでやってみたいというユーザーにとっては、新しく道具を買うのは相当敷居が高い。
b0189364_8235062.jpg そこで、こういった自炊代行業者を探すことになるんだが、何だか今著作者の団体からクレームが入っているとかで、一時期増えていた業者も現在は少なくなりつつある。一方で最近、スタジオ貸しみたいな業者も出てきていると聞く。つまり、自炊を業者が代行するんじゃなくて、自炊用の機材とスペースを貸して、ユーザーに作業をやらせようというやり方を取っている、そういうビジネスがあるというんだな。これだったら「著作権にひっかからないだろう」という業者側の主張なのか、ともかく隙間を狙ったような方法であることは間違いない。すでに首都圏ではこういった形態の店があると聞くんだが、地元になければしようがない。わざわざそのために東京まで遠出するわけにも行くまい。あきらめかけていたところ、地元にもそういう店があると聞いたのが数日前。で、実際に足を運んだのが先日である。
 実は、これまで1冊だけ手持ちのスキャナーで自炊したことがあったんだが、そのときは裁断機がなく、カッターナイフでせっせとページをばらしてやったんで、「裁断」作業に1時間以上もかかった。しかもスキャナーの方も、オートドキュメントフィーダーが付いている複合機なんだが、読み取り速度がやや遅く、しかも読み取った原稿が傾いたり透けたりしていて、満足度はあまり高くなかった。だが、データ化したことでメリットを感じたのは確かで、他の数冊の問題集についてもやりたいなーと思っていたのだね。
b0189364_8241527.jpg さて、僕が先日行ったのは、「デジタルワークスペース」と名うっているところで、DVD-Rの大量コピーとか大判プリントとかを客が自分で作業して利用するという形態の店で、その中に自炊コーナーがある。店に入ると、非常に愛想の良い店主が迎えてくれて、こちらの要件が自炊である旨を告げると、早速そのスペースに案内してくれた。スキャナーや裁断機の使い方を一通り教えてもらって、いざ作業に臨む。裁断機は本格的なもので、ものの数秒でスパッと裁断できる。当然と言えば当然なんだがばらすのに1時間もかかることはない。スキャンは、その筋では有名な富士通のScanSnap S1500を使って行うが、こちらも驚くほど速い。200ページの本1冊に10分かからない。紙のフィードが速い上に、表と裏を一度にスキャンするってんだから大したものだ。そんなこんなで6冊スキャンするのに1時間かからずで、思ったより早く終わったのだった。なおスタジオ使用量は15分300円、スペースのチャージ料200円ってことだったが、なんだかいろいろサービスしてもらって結局900円で済んだ。1冊あたり150円で、僕としては満足度は高かった。
 先ほども言ったように、自炊代行業者は現在、著作者の団体からクレームを受けていて、今後少なくなるんじゃないかと思う。だからといって、僕が利用したようなスタジオ形式の商売が流行るかというとこれも少し疑問が残る。やはりユーザーの側に面倒さが残る点が大きい。面倒さを厭わない人はおおむね自分で道具を揃えてやるんじゃないかと思うんだな。だから僕みたいに試しに少量だけやってみたいという人間以外に利用することはあまりないんじゃないかと考えたりもする。それにドキュメントスキャナーも進化しているらしく、富士通の現行機種のScanSnap iX500という機種もS1500を凌ぐ速度とユーザビリティを兼ね備えているという。個人的にも食指が動くところだ。まあ、今後、スキャンすべき本の冊数が増えたらそのときに購入も視野に入れることにする。
by chikurinken | 2013-04-05 08:25 | 日常雑記
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