
前にも書いたように、僕は自動車に乗らず、移動はほとんどが自転車を使う。自転車は健康的かつエコロジカルでとっても良いのだが、しかし最大の難点が雨天時である。雨の日の自転車ほど惨めなものはない……と言ってよい。
カッパを着れば事足りるじゃねーかと考えたあなたは、自転車シロートである。カッパを着て自転車に乗ると、カッパの中は汗で蒸れるわ脱ぎ着に時間はかかるわで、それを考えるとカッパはできれば避けて通りたい代物である。そういうこともあって永らく傘さし運転をやって来たが、これも大層危険で、しかも腕力も要り、とうてい人にお奨めできるものではない。結果的に、雨の日は極力外出しないという原則を打ち立てることになった。
ただそうも言ってられないのが人生ってもんで、ここのところ雨の日の外出が増えてきたため、優れもののカッパがあればいっそカッパ派になろうかと考え始めた。特に先日約12kmの道のりを傘さしで運転したときに、もう精神的に疲れてしまって、これはもう無理!と感じたのだ。ちなみに僕の場合、傘さしでも片手運転ではなく、前屈みの状態になり、右手でハンドルを持ちながら傘を持つという体勢なので、片手傘さし運転ほどは危険じゃないと思うが、それでもこれが1時間近く続くとさすがに精神的な疲労が大きい。

そこでカッパをネット上で物色することになった。セパレートタイプのカッパは、先ほども言ったように蒸れと脱ぎ着の手間の問題があるので、なるべく避けたいところである。いろいろ探しているときに出会ったのが、
レインコートと合羽の専門店「カッパライフ」というサイトで、ここでイチオシのエントラントレインコートってやつを買った。それから足のカバー用として
使い捨てシューズ保護カバーという商品も買った。こちらは楽天の「オリジナル堂」というサイト。で、実際これを着てみて感じたのだが、エントラント製なんで蒸れは解消されるが、なにぶんやはり着脱の手間がかかる。一方でシューズ保護カバーは結構いける。
ということで、もう少し着脱が楽な「ポンチョ」が良いんじゃないかと思っていたところ、先日街でポンチョ姿の自転車乗りを見かけた。なんだかとっても良さそうである。そこでネット上でポンチョを探し回り、いろいろなレビューなんかも検討して、最終的にたどり着いたのが
マルト(MARUTO) 自転車屋さんのポンチョ
という商品である。ちょっと目立って恥ずかしいというレビューがたくさんあったが、この際そんなことは言ってられない。
実際どうやって使うかというと、自転車ごとテントをすっぽりかぶってしまうようなイメージである。ちなみにこのテントは頭で支えるということになる。商品が送られてきて着てみると、後ろの丈が少し短すぎるんでないかい(臀部が濡れそう……)とも感じたが、全体的には良さそうである。
で、先日、雨の日にこのマルトのポンチョを着て試乗してみた。ここからは僕のレビューということになるが、結論を言うと意外にヨイというのが感想である。風で煽られたりしないか気になっていたが、それもまったくなかった。ただしこの日は風があまり強くなかったので、これについては保留である。以前ポンチョを着て登山しているとき、稜線に出て暴風雨に遭い、飛ばされてしまうんじゃないかという恐怖感を持ったことがある(ちなみにそのときは即下山した)。このマルトのポンチョについてはそういう感覚は今のところまったくない。足が濡れる可能性はあるが、先述のシューズ保護カバーと併用すればまったく濡れることはない。もっともカバー自体もあまり濡れていなかったので、足も思った以上に保護されるんじゃないかと感じた。ただこれも風次第ってことになるんだろう。短すぎると感じた後ろの丈は、実際使ってみるとまったく問題がなかった。特に僕はデイパックを背負った状態でポンチョを着たんだが、それでもまったく問題はなかった。
途中、傘持ち運転の人々と何度もすれ違ったが、彼らがちょっと間抜けに見えたほどで、傘持ち運転に比べるとはるかに精神的にも肉体的にも楽である。それに安全だし。今回15kmほどポンチョ状態で走ったが、服はまったく濡れていなかった。それになんといっても着脱が簡単かつスピーディで、その点はセパレート式よりずっと良い。Amazonのレビューに、やたら目立って車のドライバーにじろじろ見られたというものがあったが、そもそも合羽やポンチョを着るとき僕は眼鏡を外すんで、それも全然気にならなかった。思った以上に素晴らしいというのが僕の結論である。
ただしこれはすべて、風があまりないという条件での話で、今後もう少し試してみないとわからない部分である。ただ僕個人としては、風が強いときはもう一つのエントラントレインコートを使えば良いわけで、そういうふうに臨機応変に対応すれば良いんじゃないかと思っている。
参考:
竹林軒出張所『自転車を買う(その1)』
竹林軒出張所『自転車を買う(その2)』